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「運命の女」 2002

運命の女 (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 夫と子供に恵まれ郊外で幸せな家庭生活を送っていた女は、町で出会った男と不倫関係に陥ってしまう。

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 1968年のフランス映画「不貞の女」のリメイク作品。原題は「Unfaithful」。

 

感想

 郊外で暮らす主婦が町で魅力的な男と出会ったことから始まる物語だ。序盤はまず、主人公である主婦が不倫に燃え上がっていく様子が官能的に描かれる。嵐の日に男と出会い、互いに手を取り合って点字の本を読むことで接近してと、分かりやすい不倫官能ドラマが展開される。

 

 そんな主人公の行動に夫は疑念を抱くも、しばらくは疑心暗鬼のまま何もしない。だが中盤になってようやく具体的に動き出す。探偵を雇って妻の浮気を突き止め、そのまま男の部屋に乗り込み、そして話し合っているうちに男を殺してしまう。かなりの急展開だ。動かざること山の如しだったのに、一旦動き始めると風の如く、火の如くだった。

 

 そして夫は殺人の隠ぺい工作を謀るのだが、この時の彼の不運ぶりが面白かった。死体をエレベーターで運ぼうとすれば途中で止まってしまうし、車のトランクに入れておけば事故でぶつけられて閉まらなくなってしまうし、見つかるはずのない埋め立て地に遺棄すれば律儀な作業員に発見されてしまうしと、ほとんどコントのようだった。とことんツイてない。

 

 

 死体が発見されたことにより事件化してしまい、捜査は主人公夫婦に及ぶようになる。主人公は警察に不倫関係を隠そうとするのだが、それになぜか夫が口裏を合わせて協力することに疑念を抱く。ここから夫婦間の心理戦を絡めつつ、捜査する警察との攻防戦が始まるのかと思ったのだが、案外あっさりと夫婦互いの秘密が明らかになってしまい、拍子抜けしてしまった。互いに協力もしくは敵対しつつ警察の追及をかわそうという気もそんなになかったようだった。

 

 もっとサスペンス的なものを期待していたのだが、実際は単なるソープオペラ的な官能ドラマだった。官能を刺激するような思わせぶりな映像演出がしっかりと行われているので、官能ドラマとして見れば良い出来と言えそうだ。だがそうなってくると殺人事件は必要なかったでは?と思ってしまう。幸福だが平凡な生活に飽いた主婦がしばしの火遊びを楽しんだがその後修羅場がやってきた、みたいなベタなメロドラマ的展開で良かったような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 エイドリアン・ライン

 

出演 ダイアン・レイン

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オリヴィエ・マルティネス/チャド・ロウ/ドミニク・キアネーゼ/マーガレット・コリン/ジェリコ・イヴァネク

 

運命の女 (2002年の映画) - Wikipedia

 

 

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リメイク元の作品

 

 

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