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「ホワイトハウス・ダウン」 2013

ホワイトハウス・ダウン (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 急襲され占拠されてしまったホワイトハウスで、たまたま娘と共に居合わせた議会警察官の男は、たった一人で大統領を守り敵と戦うことになる。

 

感想

 謎の集団がホワイトハウスを急襲するところから物語は動き出す。しかし突然だったといえ、警備がお粗末すぎた。警備員たちは敵の攻撃にばたばたと倒れていくだけで、相手に何一つダメージを与えられない。ホワイトハウスに勤務する人たちは、アメリカでもトップクラスの人材の集まりなのかと思っていたが、そうでもないのか。それでも一人ぐらいは倒すなり、けがを負わすなりくらいはして欲しかった。味方は全滅、相手は無傷、ではさすがにリアリティが感じられない。

 

 そんな無能な警備員に代わって大統領を守り、敵をバッタバッタと倒していくのはたまたま居合わせた議会警察官の主人公だ。たった一人で孤軍奮闘する姿は映画「ダイ・ハード」と似ている。ただ、彼が大統領やアメリカの命運を握っている状況のわりには、政府のリアクションが悪いのが気になった。全ての対策が失敗する中で救世主が現れたのだから、もっと驚きや喜びがあっても良かったはずだ。

 

 そもそも主人公の設定を、ホワイトハウスと中途半端に関係がある議会警察官にした理由がよく分からない。その方が色々と説明を端折ることが出来るからということなのかもしれないが、どうせなら謎のヒーローが現れた、とまずザワザワする方が盛り上がるような気がした。

 

 

 政府関係者も多少は彼の事を知っているものだから、なんだお前か、とでも言うように、まるで部下にするかのように主人公に指示を出したりして扱いが雑だ。しかも助ける気はないのか、全然ホワイトハウス内部の情報を聞こうとしない。とにかくさっさと脱出してね、とまるで他人事のような空気感を出している。そこはもうちょっと感謝の気持ちがあっても良いのでは、と思ってしまった。敬意が足りない。政府側は、他にも中の緊迫した状況をまったく気にせず主人公に電話をかけてきたりと、どこか間が抜けていた。

 

 密会のための秘密の通路など、ホワイトハウスにまつわる噂話をネタにしたり、大統領とのコミカルなやり取りがあったりと、緊張感のある中にもニヤリとさせられるシーンがあって、飽きることのない展開が続く。しかもしっかりと前振りをした上でやってくれるので分かりやすい。ホワイトハウスが鉄壁の防御をしているせいで、逆に中から外に脱出する事も困難で往生してしまう、という皮肉の効いたシーンも面白かった。

 

 大統領が九死に一生を得たシーンはありきたり過ぎだったし、思わぬ人の裏切りが発覚するクライマックス後のもうひと山は蛇足気味だったが、とにかく観客を楽しませようとする気概は感じられる映画だ。時間を忘れて見ることが出来た。細かい部分では色々と気になる大味なストーリーではあるが、エンタメ作品として十分楽しめる映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ローランド・エメリッヒ

 

脚本/製作 ジェームズ・ヴァンダービルト

 

出演 チャニング・テイタム

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マギー・ジレンホール/ジェイソン・クラーク/リチャード・ジェンキンス/ジェームズ・ウッズ/ランス・レディック/ジョーイ・キング/ガーセル・ボヴェイ/レイチェル・レフィブレ/マイケル・マーフィー/ニコラス・ライト/ケヴィン・ランキン/ジミ・シンプソン/ジェイク・ウェバー/マイケル・マーフィー/ピーター・ジェイコブソン/マット・クレイヴン/アンソニー・レムケ

 

ホワイトハウス・ダウン (字幕版)

ホワイトハウス・ダウン - Wikipedia

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