★★★☆☆
あらすじ
死んだはずの妻がヨーロッパの犯罪者集団の中にいるらしいとの噂を聞いた男は、再び仲間を集めて真相を探ろうとする。
「ワイルド・スピード」シリーズ第6作。原題は「Fast & Furious 6」。
感想
前作で登場したドウェイン・ジョンソン演じる捜査官が、当然のように主人公グループの仲間に加わっている。彼はちゃんとモラルのある男だったような気がするが、怪力に物を言わせて強引にことを進める横暴なキャラになっていて面白かった。それに彼は走り屋だらけのメンバーの中で唯一その要素がないので、個性を出しやすい。運転するのもスポーツカーではなく、装甲車だ。
今回は、主人公の死んだはずの妻の真相を調べるために仲間が集められ、彼女が所属するとされる犯罪者集団と対峙することになる。シリアスとコミカルを織り交ぜながら作戦準備を進める様子は前回と同じだが、今回はかなりの中だるみがあった。
主人公と死んだと思っていた妻との再会なども描かなければいけないので、自然としっとりとした雰囲気になってしまうのは仕方がない部分がある。だが、それに加えて敵と対決するための作戦や準備が、要領を得なかったのが大きかった。ポール・ウォーカー演じるもう一人の主人公がアメリカの刑務所に潜入し情報を聞き出してきたのに、あまり役に立ったようには見えなかったし、その他のメンバーの行動もいまいちその有効性が伝わってこなかった。彼らの動きで準備が整っていく様子が見えず、物語の推進力が弱かった。
クライマックスは、高速道での戦いが終わったと思ったら次に飛行場での戦いが始まる二段構えの構成だ。飛行機対車の対決は、正直何がどうなっているのかいまいちよく分からなかったが、巨人と対決しているようで見ごたえがあった。アクションシーンは相変わらずむちゃくちゃで楽しい。
しかしよく考えると、クラッシュや横転などの自動車事故では主要人物が死なないことになっている設定の世界観はすごい。他の映画ならちょっとした衝撃シーンなのに、この映画では当たり前のように彼らが車から這い出てくると思ってしまっている。最後に「絶対真似しないでね(意訳)」とテロップが出されるのも納得だ。そうしないと事故っても大したことないと思ってしまう人がたくさん生まれてしまいそうだ。
スタッフ/キャスト
監督/製作総指揮 ジャスティン・リン
製作/出演 ヴィン・ディーゼル
出演 ポール・ウォーカー/ドウェイン・ジョンソン/ミシェル・ロドリゲス/ジョーダナ・ブリュースター/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/サン・カン/ガル・ガドット/エルサ・パタキー/ルーク・エヴァンズ/ジーナ・カラーノ/ジョン・オーティス/ラズ・アロンソ*/シェー・ウィガム/キム・コールド/トゥーレ・リントハート/ジョー・タスリム/リタ・オラ
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*ノンクレジット
ワイルド・スピード EURO MISSION - Wikipedia
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