★★★★☆
あらすじ
前作で倒した男の兄が復讐のためにファミリーに次々と襲い掛かり、主人公らは彼の居場所を知るために謎の組織に協力することにする。
「ワイルド・スピード」シリーズ第7作。原題は「Furious 7」。
感想
主人公らは、復讐のために襲い掛かって来る男の居場所を知るために、政府の秘密組織に協力する。彼らのために任務を行なうのだが、東京やアゼルバイジャン、テルアビブと世界中を飛び回り、ドレスやタキシードで着飾ったりする様子はまるで「007」や「ミッション・インポッシブル」のようだった。大作感がある。ボンド・ガールのように水着姿の美女が海から登場するシーンもある。
今回は任務をいくつかこなしていく形となっているので、何度もヤマ場が訪れて飽きさせない。それにただ任務をこなすだけではそもそもの目的を忘れてしまいそうになるが、それを邪魔するように本来の敵であるジェイソン・ステイサム演じる男が乱入してくるので分かりやすい。並行して進行していたこの二つの物語が一つの流れとなる展開は上手かった。
そしてアクションは相変わらずむちゃくちゃで面白かった。きっと前作でヒントを得たのだろう飛行機から飛び降りるシーンや、ビルからビルに飛び移るシーンなど、カーアクションはどれも迫力満点だった。ビルのシーンで、ブレーキが利かなくなったことにして無駄に二回目の大ジャンプをした場面には思わず笑ってしまった。どうせやるならド派手なほうがいい。今回はそんなシーンが多くて楽しかった。主人公らは、車は空を飛べるんじゃないかと思っていそうだ。
クライマックスは、敵をおびき寄せるために皆が奮闘するのだが、序盤以降休んでいたドウェイン・ジョンソン演じる捜査官の再登場に痺れた。たった一人であっという間に状況を一変させてしまう。まるでターミネーターのように頼もしかった。皆の活躍をちゃんと描いてはいるが、彼が全部持って行ってしまったような印象だ。
ラストはいつものように後日譚が描かれるが、なんだか奇妙な雰囲気が漂っている。変だなと思っていたら、主演のポール・ウォーカーが亡くなったことに対する追悼のシーンだった。彼が亡くなったのが撮影中だったとは知らず、こんなシーンが用意されているとは思っていなかったので、気付いた時には思わず泣きそうになってしまった。
彼が亡くなったのは残念だが、最後に追悼のテロップを出すだけでなく、こうやって追悼シーンをちゃんと加えられたのは良かったなとしんみりとしてしまった。ファミリーを大切にすることを訴える映画ならではの演出だ。それも含めていい映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・ワン
製作/出演 ヴィン・ディーゼル
出演 ポール・ウォーカー/ドウェイン・ジョンソン/ミシェル・ロドリゲス/ジョーダナ・ブリュースター/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/ナタリー・エマニュエル/カート・ラッセル/エルサ・パタキー/ジャイモン・フンスー/トニー・ジャー/コディ・ウォーカー(代役)/ケイレブ・ウォーカー(代役)/ロンダ・ラウジー/アリ・ファザル/ノエル・グーリーエミー/T-ペイン/ルーカス・ブラック/シャド・モス/ナタリー・ケリー/サン・カン/ルーク・エヴァンズ/ガル・ガドット(写真)
ワイルド・スピード SKY MISSION - Wikipedia
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