BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「夜明けの街で」 2011

夜明けの街で

★★☆☆☆

 

あらすじ

 不倫など馬鹿らしいと思っていたのに、不倫にのめり込んでしまった男。129分。

 

感想

 不倫相手にサスペンスの気配を感じさせながら、主人公が不倫にのめり込んでいく過程が描かれる。でも奥さんは疑う様子を見せないし、不倫相手は駄々をこねて困らせないし、主人公はまったく罪悪感を感じていないしで、不倫は順調そのもの。冷や冷やしたりドキドキしたりするような感情の起伏が起こるシーンが何もないので、何をモチベーションにこの二人の不倫の様子を観ればいいのかが分からなかった。こういう場合はきっと二人の濡れ場で引っ張るのが定番なのだろうが、不倫の相手役が深田恭子なのでそれは期待できず、もちろん中途半端なシーンしかない。

 

 それでもその不倫相手が何やら殺人事件に関与しているらしいというミステリー要素が冒頭にあったので、それに対する興味で辛うじて頑張って観ているという感じだった。だがその匂わせがあまりにも少ないので、もしかしたらあれは幻だったのか?と途中で不安になってしまうほど。もうちょっとこまめに、この後サスペンスシーンが待ってますよと撒き餌をしておいて欲しかった。

 

 

 そして死んだ目で不倫の様子を2時間弱ほど眺めたあとで、ようやくサスペンスのクライマックスが訪れる。だがそこで明かされる事実にビックリするくらいビックリしなくてビックリした。正直どうでもよいというか、そもそも興味がないというか。やっぱり不倫ばかり描いていないで、物語のあちこちに興味を掻き立てるような伏線をもっと張っておくべきだった。主人公がこの現場に巻き込まれた理由もいまいちよく分からない。不倫していた親に対する当てつけだったという事なのだろうが、その論理が上手く理解できずモヤモヤする。

 

 最後は順調に見えていた不倫も、実はそうではなかったという事に主人公が気づいてわなわなと震えるシーン。ショッキングなシーンのつもりなのだろうが、あれだけやりたい放題やってればそりゃそうでしょうよとしか思えなかった。ビックリしていることにビックリするレベル。主人公を利用していたつもりがそうじゃなくなってしまったという不倫相手の話も、そもそもが嘘っぽいのでリアリティを感じない。よくある面白みのない普通の不倫をただ2時間以上も観させられただけ、という感想しかない。もしかしたら不倫経験がある人は楽しめるのかも。

 

スタッフ/キャスト

監督 若松節朗

 

原作 夜明けの街で (角川文庫)


出演 岸谷五朗/深田恭子/木村多江/石黒賢/黄川田将也/田中健/萬田久子/中村雅俊

 

夜明けの街で

夜明けの街で - Wikipedia

夜明けの街で | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com