★★★★★
内容
第二次世界大戦中、実際に起こったドイツ軍の捕虜収容所からの大脱走の映画化。
感想
捕虜となった人間は、収容所からの脱走を企てることで敵の手を煩わせ、前線で戦う味方を助けるのが義務、というのはなんて合理的な考えなのだろう。捕まることを恥と考え、勝手に自死していった日本軍とはえらい違いだ。こういうのを見ると、日本は精神論で戦っていたのだなと改めて思い知らされる。
そしてこの脱走を何度も試みる捕虜たちが何とも明るい。何度失敗してもくじけることなく屈託なく再び脱走に挑もうとする。それに対する収容所の所長たちも、どこかそれにあきれつつもちゃんとした対応をする。
トンネル堀りや調達のプロ、偽造のプロなどそれぞれが知恵をめぐらし大脱走の準備を進める。皆が一丸となって計画を進めていたのに、いよいよ実行のときが迫ると、それぞれの色々な思いが表面に浮かび上がってくるのがリアルだ。
収容所を抜け出すことには成功したが、その後の逃走でほとんどは捕まったり、殺されたりしてしまって決して気分爽快ではない。しかし、ラストでスティーブ・マックィーンが独房で壁を相手にキャッチボールするその音が、まだあきらめてないんだな、と胸を熱くさせてくれる。
スタッフ/キャスト
監督/製作
脚本 ジェームズ・クラヴェル/W・R・バーネット
出演
リチャード・アッテンボロー/ゴードン・ジャクソン/デヴィッド・マッカラム/ドナルド・プレザンス/ナイジェル・ストック/トム・アダムス/ハンス・ライザー/カール=オットー・アルベルティ/ウィリアム・ラッセル/トム・アダムス
音楽 エルマー・バーンスタイン
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