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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「カールじいさんの空飛ぶ家」 2009

カールじいさんの空飛ぶ家 (字幕版)

★★★★☆

 

 亡き妻と過ごした家を立ち退かなければならなくなった老人は、妻と訪れる約束をした場所へ家ごと旅立つ。

 

 冒頭の冒険家を夢見る少年がある少女と出会い、成長して結婚し年月を重ねてやがて死に別れる、という半生を一気に短時間で描いたシーンは、何故かそれだけで泣けてきた。二人で過ごしたその歲月に感動しているのか、それともそれなのに最後は一人になってしまうことに寂しさを感じたからなのか、良くわからないが。老人を描くときは,その半生を導入部で紹介すると何でも泣けてしまうのかもしれない。

 

 しかし子供が主に観ることを想定しているだろう映画で、主役がおじいさんってどうだったんだろう。それなりの興行成績を収めたみたいなので目論見は外れなかったようだが、なかなか勇気があることをするなと感心する。

 

 おじいさんが旅の目的地周辺まで風船をつけた家で行くのはわかるのだけど、目的地周辺をウロウロするときもわざわざ家を引っ張っていくのが良く分からない。程よき所に引っ掛けておいて、自分の体だけで動けばいいのにと思ってしまった。とは言え、少し浮くのでちょっとは役に立っているのだが。かさばる道具だ。家は亡き妻を象徴しているから、執着してしまうってことを表してはいるのだろうけど。

 

 かつてのあこがれの的だった冒険家がああいうことになってしまうのはちょっとかわいそうな気がしてしまう。主人公同様に執着しすぎるなってことだろうけど、彼は人生を賭けていたわけだし。ただ互いの利害が衝突するだけで憎しみ合っているわけではなかったのだから、話し合って平和的に解決して欲しかった。別に何かに執着してもいいじゃないかとも思ってしまう。

 

 監督、脚本、音楽などのスタッフの役割と呼応するような、キャラクターたちのシーンを重ねるエンドロールがうまい。最後まで手を抜かないのはさすが。

 

 小さな頃にこれを観た人間が、やがて親になり子供と一緒にもう一度これを観た時、この映画ってこんな内容だったのかと、きっと再発見して泣くんだろうな。そしてその子供も同じことを繰り返す。そんなふうに世代を超えていきそうな映画。

 

監督 ピート・ドクター

 

監督/脚本 ボブ・ピーターソン

 

出演 エドワード・アズナー/クリストファー・プラマー/ジョン・ラッツェンバーガー/ジョーダン・ナガイ

 

カールじいさんの空飛ぶ家 - Wikipedia

 

 

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