★★★★★
あらすじ
痴ほう症の老女に、ある男女の物語を読み聞かせる老人。
感想
結構評判のいい映画だったが確かに良かった。最初はなんてことのない若い男女の物語だったのだが、次第に真相が明らかになるにつれ、心に響いてくる。
正直、若い頃の彼女はいい女という感じではなく、どこにでもいるような気ままでわがままな普通の女で、それが逆に物語をリアリティのあるものにしているような気がする。いい女といい男の話ではなく、どこにでもあるような、だけど二人にとっては大切な物語。
別の男と婚約してしまっていた彼女に対して決断を促す男の言葉がいい。「どんな決断をしても誰かが傷つくことになるけど、誰かのためではなく、自分のために決断をしてくれ」という言葉。人間悩める時はいろいろなものを抱え込んでしまっているもの。だけど、しがらみは無視して自分の事だけを考えたなら、後悔しない最良の決断ができる。
だけどももし、しがらみに囚われて本意ではない決断をしたならば、選ばれなかった人は納得できないだろう。それに誰も幸せになれない。心に響く言葉だった。
時間が進むにつれ、この物語の仕組みが分かってくるのだが、それ自体が見せ場でなく、それもこの物語を効果的にするための演出の一つでしかない。結婚後の二人についてはほとんど語られていないが、現在の彼らの様子やその家族たちを見れば容易に想像がつく。
無償の愛というのはこういう事かと心を打たれっぱなしだった。男が冒頭に語る、自分自身への評も全くその通りだと頷かざるを得ない。
評判が良かったのになかなか観る気になれなかった理由の一つにタイトルがある。なんて地味な。だがオリジナルのタイトルも「The Notebook」。確かに分かるが、こちらもかなり地味。邦題は頑張った方なのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 ニック・カサヴェテス
出演 ライアン・ゴズリング / レイチェル・マクアダムス
ジーナ・ローランズ/サム・シェパード/ジョアン・アレン/ジョアン・アレン/ジェームズ・マースデン/ケヴィン・コナリー/デヴィッド・ソーントン/ジェイミー・アン・オールマン
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