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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「海猫」 2004

海猫 [DVD] 

★★☆☆☆

 

あらすじ

 漁師の家に嫁いだロシア人とのハーフの女は、夫の弟とも関係を持つようになる。

 

感想

 正直、共感できない物語だった。夫は浮気をするし、妻は浮気されたからと夫の弟と浮気をするし、夫の弟は義理の姉に思いを寄せるしで、誰にも感情移入できないというか。強いて言うならば夫が一番ベタで普通なのかもしれない。

 

 本当は伊東美咲演じる主人公が夫に浮気される可哀想な女で、自分に好意を示していた義理の弟に気持ちが揺らいだのも仕方がない、ということにしたいのかもしれない。だけど、夫と義理の弟、両方との生々しいベッドシーンを見せられてしまうと、ただのビッチな女にしか見えなかった。

 

 

 そんなおかしな登場人物たちの中で一番怖かったのは、主人公の女にとっての義理の母親の豹変ぶり。最初は息子の嫁にとても優しく接しているように見えたのに、主人公の体が弱り、働けなくなって寝込むようになると、冷たい態度に変わっていく。かといって嫁が迷惑になるからと出ていこうとすると、それは決して許さない。

 

 子供を産む働き手としてしか嫁を見ていないということで、そして家にとって世間体が悪いことをするのも許さない。きっとこれが昔ながらの家の価値観ということなのだろう。今でもこれを普通だと思う人たちはいて、夫婦別姓など家族の制度に関する議論になると、新しい考え方の人たちと価値観が対立し衝突している。

 

 物語は、結局三人が揉めて悲劇的な結末になるわけだが、単純に佐藤浩市演じる夫が身をひけば済む話だったんじゃないかと思う。すでに妻に対する気持ちは離れてしまっていたように見えたので、なんでそこまで執着するのかよく分からなかった。

 

 自身のプライドや世間体のためだったということはできるが、きっと本人も鬱々とした生活になっていたのだろうから、無理しないで穏便に事を済ませ、新しい生活を始めればよかったのにと思ってしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督 

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脚本 筒井ともみ

 

原作 海猫〈上〉 (新潮文庫)

 

出演 伊東美咲/仲村トオル

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深水元基/ミムラ/白石加代子/三田佳子/鳥羽潤/小島聖/武野功雄/三上大和/佐藤二朗/伊藤克信/菅原大吉

 

音楽 大島ミチル

 

海猫 [DVD]

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海猫 - Wikipedia

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