あらすじ
郊外の団地で暮らす家族とそれに関係する人たちそれぞれの、それぞれな話。
感想
人間同士というのは結局、本当の意味でお互いが解り合えることなんてない。一緒に暮らしていて相手の事を分かっているつもりでも、相手の考えている事までは分からない。それでもなんとか折り合いよく周囲の人たちと日々を過ごしている。ある意味、奇跡。ある意味、美しい。
きっと、相手の本当の気持ちが知りたいなんて思い悩んだりしないで、誤解と思い込みで結構、みんな俺の事が大好きなんだ、とポジティブな気持ちで人に接することができたら人生は楽なのだろう。
でも、みんなこれが出来ないからワイドショー的事件が起きたり、素晴らしい音楽が生まれ、それに感動したりするわけで。まぁ、それはそれで面白いということだ。
ところで、この小説の象徴的存在でもある郊外のショッピングセンターは、登場人物たちに何かと関わってくる。なんだかショッピングセンターに人生を支配されているようで不気味だった。
著者