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「グッド・バイ」 1948

グッド・バイ (新潮文庫)

★★★☆☆

 

あらすじ

 闇商売で知り合ったとてつもない美人だが、声は悪く怪力の女の協力を得て、十人近い愛人たちとの関係を清算しようとする編集者の男。太宰治の未完の絶筆。

 

感想

 伊坂幸太のこの作品をオマージュした小説「バイバイ、ブラックバード」でこの作品を知った。それを読んでいる時は、すごい設定になっているから、きっと本作とは大幅に内容が変わっているのだろうなと思っていたのだが、そんなことはなく、ほぼそのままだった。どちらかというと本作の方がすごい設定で、主人公には10人近くも愛人がいる。

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 愛人たちがかなわないと思うような、とびきりの美女を連れて訪問すれば、別れがスムーズなものになるだろうという算段で一人の女に協力を依頼した主人公。だけどその女が美女ではあるが曲者で、というのがストーリー。

 

 

 なかなかに軽妙な文体で、太宰治はこういう文章も書くのかと意外な感じがした。新聞に連載された小説だという事で、大衆受けを意識したという事なのか。

 

 一人目の愛人との別れがつつがなく完了して、続いて二人目に取り掛かろうとしたところで絶筆。絶筆の作品を読めばいつも感じる事だが、ここで終わり?という宙ぶらりん感。仕方がないのだが。

 

 たぶんこの先は付き添いの美女と衝突を繰り返しながらもなんとかすべての愛人との関係を清算するが、今度は付き添いの美女との別れに往生する、というストーリーなのだろうなと予想する。そう考えると伊坂幸太郎の小説は、本当にほぼそのままだった。ただその予想が当たっているのか、永遠に答え合わせが出来ないという事実は、なんとも言えない気分にさせられる。

 

著者

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グッド・バイ

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グッド・バイ (小説) - Wikipedia

 

 

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