★★★☆☆
内容
Re-bornをテーマにした7人の作家によるアンソロジー。
感想
一つのテーマで複数の作家が物語を書くと、やっぱり被ってしまうものだ。受験失敗、過去の悔いを改めようとする老人の登場など。
Re-born、生まれ変わりたいと思う状況にいるわけだから、当然話は不満や不安が感じられる暗めの話が多い中、やっぱり伊坂幸太郎はそれらと一線を画している。そんな状況でもポジティブで。どこか浮世離れしていて、それでも自分もこんな風でいたいなと思わせるような登場人物たち。その軽さがいいし、ちゃんと最後はすっと前向きな気持ちになれる。
それ以外で良かったのは豊島ミホ。現実世界では出来れば関わりあいたくない人たちの話だが、そんな彼らにも色々あってそれでも明るい未来が見える世界が待っていることを教えてくれる。
中島京子はゴーゴリを始め色々な引用が出てきて回りくどく、鬱陶しいなと思いながら読んだ。特に鼻行類がどうたら面白くない作り話を延々するなぁと思っていたのだが、調べてみたらそういう本は実際にあるらしい。軽く驚いた。
著者
瀬尾まいこ/豊島ミホ/中島京子/平山瑞穂/福田栄一/宮下奈都
引用文献
登場する作品
登場する人物
マリア・カラス/アル・ゴア/ゴーゴリ/ハラルト・シュテュンプケ/日高敏隆/クリスティアン・モルゲンシュテルン/ニーチェ/ルドルフ・シュタイナー/始皇帝/矢沢永吉/奥田民生