★★★☆☆
内容
サイコ・サスペンスの元祖となった作品。
感想
元祖なだけに、その後に作られた数々の作品を見すぎたせいか、ストーリー自体に大きな驚きは無かった。
有名なシャワー・シーン。どう考えても映りそうなものなのに大事なところがちゃんと隠れているのがすごいな、と変なところで感心してしまった。ただ、その他にもそのカット、その撮り方うまいな、と思わせる箇所が随所にある。殺害シーンも犯人の正体が分からないように、それでいて凄惨さが伝わるような撮り方。
関係ないが、一番痛みが観ている者に伝わる武器というのはナイフかもしれない。銃だと見ていても別に痛いと感じないし、弓矢とかもそうでもない。相手との距離感なのだろうか。日本刀が近いかもしれないが、それもちょっと違う。あの一撃で死ななそうな低い殺傷能力だろうか。一撃では仕留められないために何度もぷすぷすと刺すシーンが、誰でも一度くらいは負ったことのある刃物傷の記憶を刺激するからなのかもしれない。とにかくナイフが一番観ていて痛い。
よく考えたら前半の横領とかは関係無いのでは?と思ってしまったが、さらによく考えると、確かに悪いことをしないと誰も彼女を探さない。そうすると本事件が表面化することが無かったわけだから、このストーリーはよく出来てるな、と感心した。
ただ、最後の精神科医が得意気に事件の真相を語るシーンが残念な感じだ。そんな短期間に真実は究明出来ないだろう。そんな饒舌に決め付けで話されると、実はお前が犯人じゃないの?と怪しみたくなる。
スタッフ/キャスト
監督/製作
原作 サイコ (創元推理文庫)
出演 アンソニー・パーキンス/ジャネット・リー/ヴェラ・マイルズ/ジョン・ギャヴィン/マーティン・バルサム
音楽 バーナード・ハーマン
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