★★★★☆
あらすじ
意図しない結果を生んでしまった爆破事件に苦悩する犯人の女と、彼女に惹かれた男との愛の逃避行。
感想
爆破事件や逃亡など、倫理的にどうなのだ、と思うところもあるが、それすらどうでも良くなってしまうような美しい世界。純粋でひたむきな詩的な世界。
男の弟や父親、彼女の古い友人など全てが彼らを肯定している。特に立場のある彼の父親の態度。体面を気にした行動を取るのかと思ったら、全面的に彼の取った行動を受け入れる。ここにも愛があふれている。男と女の愛だけではなく、こういう愛もあるのだなと。それが積み重なって美しい世界が形成されるのだと。
苦悩を抱えながらも男の愛を受け止める女を演じるケイト・ブランシェットの演技が光る。美しい映像と象徴的なラスト・シーン。見応えのある映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 トム・ティクヴァ
脚本 クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピエシェビッチ
製作 アンソニー・ミンゲラ/ウィリアム・ホーバーグ/シュテファン・アルント
製作総指揮
ハーヴェイ・ワインスタイン
出演 ケイト・ブランシェット/ジョヴァンニ・リビージ/ステファニア・ロッカ
関連する作品
当初予定されていた三部作のうちの一つ。「地獄」篇。