★★★☆☆
著者
複雑な家庭環境に育つ少年がある事件に巻き込まれる。
よく考えると結構気色の悪い家庭環境だが、そこらへんはあえてあっけらからんとした雰囲気であまり深く考えさせないようにしている。自分の周りにたくさん大人がいて彼らのタイプがすべて違ったらかなり多くの事を学べるだろう。勉強も大事だけど生きた見本を観察するのも重要だ。あんな大人にはなりたくないだとか、あれでも別にいいんだ、とかそれを頼りに自分の生きる方針が築ける。
様々なタイプの大人から学んだ何拍子もそろったと思える主人公。どんなときにもうまく立ち回って主人公らしく振舞うのだろうと思っていたのに、予想外な出来事の連続に余裕を失くし不安に怯えてしまっている。だけどそれがリアルに感じる。現実は予想外のことばかりだ。理不尽な事も起こる。そういうのをいくつも経験して人はたくましくなっていくのだろう。
たくさんの伏線があって、それが回収されるのだけどなんだかすっきりはしなかった。キレがなかったというか。
登場する作品
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