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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「日本の黒い夏 冤罪」 2001

日本の黒い夏 [冤enzai罪] [DVD]

★★★★☆

 

 ドキュメンタリーを制作している高校生が、テレビ局に取材に訪れ、テレビ局員と共に松本サリン事件の第一通報者に対しての警察やマスコミの対応を振り返る。

 

 観ていて陰鬱たる気分になっていく。被害者の男は、サリンにより妻は意識不明の重体となり、自身も後遺症に苦しんでいるのに、警察から犯人扱いの待遇を受ける。犯人逮捕で早期解決を図りたい警察が流す情報にマスコミは飛びつき、世間は報道に流されていく。いつのまにか自分が犯人という物語が出来上がってしまっている。

 

 ここで被害者がしっかりと自分の立場を主張するために戦うのに感心する。真実は一つなのだから自分の疑いはいつか晴れる、と無邪気に信じていたらきっと駄目だっただろう。精神的にまいってしまって、嘘の自白すらしてしまっていたかもしれない。

 

 こういった被害者やその家族が同様の事件が起きないよう積極的な活動をしている姿を目にすることがあるが、被害者なのにこういった聖人君子的な行動をしなければいけないなんてしんどい世の中だなとこれまでは思っていた。けど実際は自分のようなつらい思いを誰にもして欲しくないと思い行動できるような聖人君子的な人だからこそ、自らの名誉が回復出来たということなのかもしれない。これは普通の人だったら流されるまま誤解を解くことも出来ずその立場に甘んじるしかないということで、しんどい世の中どころか絶望的な世の中ということになってしまうが。

 

 とにかく自らの名誉を守るためだけに、あらゆる手を使って犯人をでっち上げようとする警察の姿にぞっとする。結果的にこの被害者の行動が警察の冤罪逮捕を防いだというのも皮肉だ。

 

 原作は舞台とのことで、テレビ局の一室で展開される密室劇的な一面も感じられるが、それぞれのキャラクターが単純過ぎる気がする。役割分担がしっかりされすぎている。ただ中井貴一の良い人間っぷりは見事。

 

 この映画は冤罪だと分かって観ているからこそ、警察ひどい、マスコミ馬鹿だ、と簡単に言えてしまうが、そうじゃなかったら警察やマスコミの対応は当然、なんで逮捕しないんだ、と思ってしまっているかもしれないわけで、自戒の気持ちも持っておくことが大切だ。

 

監督/脚本 熊井啓

 

出演

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北村有起哉/加藤隆之/細川直美寺尾聰石橋蓮司遠野凪子藤村俊二根岸季衣平田満

 

日本の黒い夏 [冤enzai罪] [DVD]

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日本の黒い夏─冤罪 - Wikipedia

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