★★★☆☆
あらすじ
運転手を務める男が、ある日カメラを盗む。
感想
無駄な説明もなく、日常を切り取ったようなシーンが続く。登場人物たちの人間関係がなかなか掴めなかったのだが、これは普通なのだろうか。もっと注意深く観ていれば、もしかしたら早い段階でそれを理解できていたのかもしれない。
取り立てて大きな事件も起きず、ただうだつの上がらない男の数日を描いただけの映画とも言える。ただ、ふとしたきっかけでカメラを手にしたことで、登場人物たちのいつもと違った姿や心の内が見えてくる。
しかし、カメラを向けた途端、人々の態度が変わり、心情まで語り出すのは不思議だ。カメラを向けられることで、強烈に自分を意識し始めるからだろうか。鏡の前に立つような、日記を書くような。自分を客観的に見つめることができる。
物語よりも心の内を描いた映画ではあるのだが、シーンからシーンへ割と丁寧に伏線を張ってつないでいたりする。二人の若い女優のセクシーな姿も見られることだし、意外と何回でも繰り返し観られる映画かもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 マーク・L・マン
出演 キアヌ・リーブス/ボヤナ・ノヴァコヴィッチ/アデレイド・クレメンス/サリタ・チョウドリー