★★★☆☆
内容
弱点をなくそうとするのではなく、自分の強みを伸ばすことで人生を切り開いていくことを説く。
感想
自分や他人を評価する時、とかく人は弱点を気にしがちだ。あれは良いけどここが駄目なのが問題だ、というように。だから弱みをなくそうと人は努力する。だが苦手なことに取り組むわけだから腰が重くなりがちで、なかなか克服できない。そして皆が自らの弱点を補おうとするものだから、すべてが平均的な同じような人材ばかりになってしまう。特徴がない。
その点、弱点ではなく強みを伸ばそうという考えは、元々得意なことなので楽しく取り組めそうである。組織全体で見ても何かに突き抜けた人材がたくさんいるバラエティ豊かな組織となる。
ただ得意分野だけに集中するということは、ある面では怖さもある。万が一失敗した時に言い訳が出来ない。自分の得意分野でうまくいかなかったときには、もう何も武器がなくなってしまったような怖さがある。だがそれでもさらに知識と技術を身につけて再度やってみようと思えるのが、自分の才能のある得意分野ということなのかもしれない。
一通り本書の意図を理解したら、まずは自分の強みを知るために開発された「ストレングス・ファインダー」というテストをすることになる。これはオンラインやアプリで行うもので、本書を購入した者だけがアクセスできるものだ。この「ストレングス・ファインダー」のテストがメインで、本書はその解説書的なものに過ぎない。
テストにより34に分類された人間の特性のうち、自分に当てはまる5つの特性が知らされる。本書ではその34の特性が一つずつ紹介されているが、それらを読んでいるだけで何となく自分に当てはまりそうな項目だなと分かったり、身近な人々の顔が思い浮かんだりするから面白い。
自らの特性を知り、それを活かすことを意識することで、やりがいのある仕事ができるようになる。本の中ではあまり具体的な事は述べられておらず少し戸惑うが、その活かし方の基本的なことは押さえて、自分なりに考えて取り組めということだろう。そもそも5つの資質の組み合わせは3300万通り以上もあり、それぞれ詳細にアドバイスするのは不可能だ。
また自分自身だけでなく、組織全体に導入することで、それぞれが強みを活かせるやりがいのある職場とし、他社との競争で優位に立つ方法も示されている。それぞれの特性を持った人をどのように扱うべきかも説明されていて、一通り読むだけでなく、時おり該当する箇所を読み直して確認するような使い方をするとよいのかもしれない。
著者
マーカスバッキンガム/ドナルド・O.クリフトン
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 160人 クリック: 3,045回
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登場する作品
Just the Way You Are: How Heredity and Experience Create the Individual
Genome: The Autobiography of a Species in 23 Chapters (P.S.)
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