★★★★☆
あらすじ
20代後半で生存率50%の癌になった青年とその家族や友人たちの日々。
感想
あらすじだけを聞くと、重くて暗くて悲しい、お涙頂戴のお話かと思ってしまうがそんなことはなく、ユーモア溢れる楽しい作品に仕上がっている。音楽やファッションも小粋で爽やか。
ラリって病院の中を歩くシーンも良かった。
若くして癌になるという想定していなかった事態。本人はもちろんだが、友人や両親、身近な人達にとっても同じだ。パーティでの知人たちの癌になった主人公への態度が象徴的。ガンの知人に対してどうするのか、という自分の問題になってしまっている人が多い。相手には気休めを言って、自分はこうするから大丈夫だ、と自分の対処法をただ宣言するだけになってしまっている。多分本人たちは気づいていない。
そんな人たちの中で、主人公の親友だけはひとり違う。癌をネタにしてナンパをけしかけたりする。一見、酷いように思えるが、タブーにしないで付き合ってくれる友人というのは患者にとってありがたいことなのかもしれない。
この友人役のセス・ローゲンがいい仕事をしていて、本当なら重くなってしまうシーンをあざとさを感じさせずに笑いで救ってくれている。そして、ただのガサツな男なのかと思わせておいて、実は・・・、というのもあって、なんていい奴なんだと胸が熱くなる。
後半の生死に関わる手術の前の、本当に主人公のことを案じている両親や友人たちの言動には泣きそうになってしまった。あえて多くは語らないが、彼らの気持ちが痛いほど伝わってくる。
だけど、この映画はそのままお涙頂戴モードにならないのが良かった。手術の途中に駆けつけたカウンセラーに、どうせセラピーで主人公に悪口を聞かされているのだろうと、皆が一斉に言い訳をするのには笑ってしまった。あの子は過保護で口うるさいと言っているかもしれないけどそれは愛しているからなのよ、とか、あいつはクソ野郎だと言っているかもしれないが俺はそんな悪いやつじゃないんだ、とか。
重いテーマを題材にしながら、そしてちゃんとあるあるを取り入れつつ、だけど軽やかに描いて見せている手腕に、素直に感心した。
音楽 マイケル・ジアッキーノ
スタッフ/キャスト
監督 ジョナサン・レヴィン
製作 エヴァン・ゴールドバーグ/セス・ローゲン/ベン・カーリン
出演 ジョゼフ・ゴードン=レヴィット/セス・ローゲン/アナ・ケンドリック/ブライス・ダラス・ハワード/アンジェリカ・ヒューストン/アンドリュー・エアリー/フィリップ・ベイカー・ホール /マット・フリューワー
50/50 フィフティ・フィフティ (2011年の映画) - Wikipedia
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