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「自負と偏見」 1813

自負と偏見(新潮文庫)

★★★★☆

 

あらすじ

 近所に資産家で独身の男がやって来たことに沸き立つ田舎町の上流階級。

 

 別邦題に「高慢と偏見」「自尊と偏見」「誇りと偏見」など。原題は「Pride and Prejudice」。

 

感想

 田舎町の上流階級に属する一家の5人姉妹の次女が主人公だ。彼女ら姉妹の恋愛模様が描かれていく。ただし時代的にそれは単なる個人の色恋の問題にとどまらず、家族の未来に影響を与える問題でもある。彼女らの周囲で思惑を持ってうごめく人たちの様子も同時に描かれる。

 

 様々な人物が登場するが、その誰もがこんな人いるよなと思ってしまうようなキャラクターばかりで笑ってしまった。何かと他人に指示をしたがるプライドの高い女や、気取っているが間抜けにしか見えない男など、200年以上も前の小説だとは思えないくらい登場人物たちにリアリティがある。全く違和感がなく、昔も今と変わらないような人たちばかりだったのだなと妙に感心してしまった。それを活き活きと描写する著者の観察眼に脱帽してしまう。

 

 

 表層的にしか物事を見られず、何事にも大げさに反応してすぐに大騒ぎする主人公の母親の軽薄さもモンスター感があってすごかったが、数いる登場人物たちの中で個人的に好きだったのは、大騒ぎする周囲をよそに常に斜に構えた態度を取っていた父親だ。

 

人間が生きる目的なんぞ、馬鹿をやらかしてご近所を楽しませること、お返しにこっちもご近所を笑ってやること、それぐらいのものじゃないかね?

p572

 

 良く言えば彼は第三者的に物事を見られる冷静な男だが、悪く言えば現実に立ち向かわずに冷笑で逃げてばかりいる男となるのかもしれない。年頃の娘を放ったらかしにする懐の深さを見せながら、いざ駆け落ちしたとなったら青くなってオロオロしてしまうところなどは象徴的だった。だが彼の気の利いた皮肉や主人公を寵愛する様子を見ていると嫌いになれない。人間誰しも状況が変われば違って見える。常に善い人も常に悪い人もいない。それが人間くささというものだろう。

 

 自負と偏見によって最悪な状態から始まった主人公の恋は、もうひと山あるかと思ったが、もう結末は見えているので十分だと判断したのかもしれない。最後はハッピーエンドで落ち着き、ほっこりとする後日譚で締められて、読後感が良い物語だ。名作とされる小説なので構えて読み始めたが、そんなことを忘れてしまうくらいに面白く、純粋に楽しめる作品だった。

 

著者

ジェイン・オースティン

 

高慢と偏見 - Wikipedia

 

 

登場する作品

「若い女性のための説教集(Sermons to young women (English Edition))」

 

 

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