★★★★☆
あらすじ
ボストン・グローブ紙の「スポットライト」班は、新編集長の方針に従い、神父の性的虐待事件について取材を始める。
事実を基にした物語。アカデミー賞作品賞。129分。
感想
多くの人が尊敬するような聖職者が性的虐待をしているなんて、出来れば信じたくないし、事実だとしてもおおっぴらに関わりたくない。そんな人々の気持ちを利用して、まるで臭いものに蓋をするように隠蔽をしてきた教会。
それにしてもボストンだけで虐待をしている神父が90人もいるというのは多すぎだ。しかも、そんな事件を起こした神父を別の地域に異動させるだけというのも怖すぎる。当然、異動先でも同様の事件を起こしている。彼らを追放すると情報が漏れやすくなってしまうからなのか、身内を匿う組織となっている。織田信長だったら焼き討ちしてそうだ。
宗教という厄介な相手に対して、慎重に調査を進める記者たち。華々しさというよりも、地道な作業を繰り返し、真実に近づいていく。そんな中でそれとなく圧力も受けているが、全く政治関係からは圧力を受けていないのは意外だった。日本だと当然のように政治家が出てきそうだが。
きっと大々的に報じられると「そんなの業界じゃ皆知ってる話」とか「今さら感がある」とか、したり顔で語りだす人間が出てきそうな話ではある。でも身内のひそひそ話で終わらすのではなく、公にしていくことが大事だ。記者たちがボストンという地域をより良くしていくためには必要なことと、使命感を持っていることが印象的だった。
映画としてはあまり物語の起伏がなくて淡々としており、ラストも盛り上がることもなかったが、だからこそ彼らは、今後も変わることなく淡々と真実を追求し続けていくのだろう、という頼もしさを感じる内容となっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 トム・マッカーシー
出演 マーク・ラファロ/マイケル・キートン/レイチェル・マクアダムス/リーヴ・シュレイバー/ジョン・スラッテリー/スタンリー・トゥッチ/ジェイミー・シェリダン/ビリー・クラダップ/リチャード・ジェンキンス(声)/ポール・ギルフォイル/レン・キャリオー
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