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「パトリオット・デイ」 2016

パトリオット・デイ(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 2013年に起きたボストンマラソン爆弾テロ事件。事件発生から犯人逮捕までを描く。

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ボストンマラソン爆弾テロ事件 - Wikipedia

 

感想

 冒頭は、事件前日の人々の何気ない日常が描かれる。この後に、何が起きるか分かっているだけに、夫婦の仲睦まじい様子や青年の恋のはじまりといった、それぞれの何気ない日々の幸せに居たたまれない気分になる。

 

 そして事件当日。いつ起きたかは覚えていなかったので、マラソン大会の間はずっとドキドキしてしまった。意外と事件は遅い時間帯だった。ただ一般ランナーが最もゴールする時間帯だったようで、そこを狙う犯人の発想が恐ろしい。

 

 

 その後は犯人を追う捜査の様子が描かれていく。FBIや警察、市長や州知事など捜査関係者たちが多数いて、中には感情をあらわに殺気立つ人間もいる。そんな中で、混乱することなくそれぞれがそれぞれの役割を理解し、組織だった動きをしていることに感心する。誰かが頭ごなしに怒鳴りつけたり、ただ言われたままに黙って従うのではなく、皆が言いたいことは言い、その上で責任者が決断したことに従い行動している。納得できないこともあるかもしれないが、言いたいことは言えてる分だけ、ストレスは少なそうだ。

 

 一方の犯人たち。次第に捜査の手が近づいている割には落ち着いているのが印象的だった。もっと言えば、事件直後の彼らの反応の薄さも不気味だった。喜ぶでもなく、ただただ淡々としていた。もうすでに覚悟はできていたという事なのだろうか。もう少し彼らが犯行に及んだその背景を知りたかった。事件のわりには、彼らの行動がとても軽いように思える。

 

 捜査関係者たちは事件から5日足らずで犯人を追い詰める。たくさん人物が登場するが、犯人に「ボストンを舐めんな」とか、FBIに「この街出身だから(どけと言われても)動かないよ」とか、彼らの口から時おりボストンに対する強烈なプライドや愛着を感じられる言葉が飛び出してきて、胸が熱くなる。

 

 そして被害者たちの描き方にも涙が出そうになった。ラストのまとめ方も上手いが、この映画がというよりは、アメリカのこういうときの立ち居振る舞い方が素敵という事なのかもしれない。自分の住む街に誇りを持っているなんて、自分はなかなか言えない。いい意味での無邪気さも時には必要なのかもしれない。長い映画だがそれが苦にならない緊迫感のある映画だった。

 

 それから、この映画は実際に起きた事件をもとにしているが、アジア系や中東系の人物たちがたくさん登場する。多くの人種が暮らす、これがリアルなアメリカなのだろう。そのような現実を過ごす彼らが、映画やドラマで登場するのは白人ばかり、と文句を言いたくなるのもわかるような気がした。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案 ピーター・バーグ

 

原作 Boston Strong: A City's Triumph over Tragedy (English Edition)


出演 マーク・ウォールバーグ/ケヴィン・ベーコン/ジョン・グッドマン/J・K・シモンズ/ミシェル・モナハン/アレックス・ウルフ /ジミー・O・ヤン/レイチェル・ブロズナハン /マイケル・ビーチ /メリッサ・ブノワ /カンディ・アレキサンダー


音楽 トレント・レズナー/アッティカス・ロス

 

パトリオット・デイ(字幕版)

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パトリオット・デイ - Wikipedia

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