★★★☆☆
あらすじ
夫が蒸発し、家業の銭湯を休業している妻は、自らの余命がわずかしかない事を知る。
感想
ストーリー的に、ラストはどうなるかわかってしまう映画ではある。それまでに主人公が残された家族のために何が出来るか、という話だ。当然、出来る限りのことをしようとする。
確かに主人公のその姿に心打たれるのだが、見ていて楽しくないというか、つらいというか。主人公の愛が大きすぎる。いじめを苦に学校に行きたくないという娘を、主人公は無理やり行かせる。一回休むと二度と行けなくなってしまうし、自分で何とか状況を打開しないといけない、という意図だろう。たしかに正論なのだが、正論すぎてしんどい。
主人公の愛がこんな感じで、まるで乗り越えられるものにしか試練を与えないという神のような愛ばかり。だが、愛ゆえに甘やかしすぎて駄目にしてしまう、みたいな人間味も欲しかった。正直、身近に神様みたいなことしか言わない人間がいたら、多分嫌いになると思う。
映画のタイトル通り、熱い愛は感じることは出来たのだが、人間愛ばかりでいちばん身近な夫婦の愛とかはそれでいいの?という気もしないではない。
関係ないが、オダギリジョーは頼りないダメな父親を何度も演じているような気がする。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 中野量太
出演 宮沢りえ/杉咲花/伊東蒼/松坂桃李/オダギリジョー/駿河太郎/りりィ