★★★☆☆
あらすじ
ある会社社長から愛人の素行調査を依頼された探偵は、いつしかその女と関係を持つようになり、事件に巻き込まれていく。
感想
冒頭の探偵の主人公と秘書の女の会話シーンでの、加山麗子演じる秘書の食べながら喋る姿が汚くて引いてしまった。普通は話し終えてから食べ物を口に運ぶものなのに、なぜか喋る直前にわざわざ食べ物を放り込む。会話のタイミングによってはそうなってしまう事があるかもしれないが、話の主導権があるのにわざわざそんな食べ方をするのが不自然だった。マナーよりも欲望を優先する女だという暗示だったのかもしれないが、こんなに不快感を覚えるシーンは稀だ。
主人公はヒロインを尾行しているうちにいつの間にか関係を持つようになる。そして彼女が苦境にあることを知り、助け出そうとする。しかしそのためには大金が必要だと主人公が必死に恐喝しているのに、その横でパニックになったヒロインが毎回相手を殺してしまうという繰り返しには苦笑してしまった。いやいや、殺してしまったらお金が手に入らないだろうと。学べよと。
ただヒロインの暴走があまりにも続くと、さすがに何か裏がありそうだなとは気づく。だけど主人公は気づかない。やさぐれているように見えて案外と主人公は純情だ。その点、冒頭で食べ方が汚かった秘書の女は頼もしかった。まだヒロインを信じたくてナヨナヨする主人公を横目に、荒々しい言葉遣いで女を問い詰めながらボコボコにする。彼女の方が断然男らしく、そして主人公よりも主人公ぽかった。
ラストは純情な主人公のために美しく哀しい結末が用意されていたが、騙していたくせに本当に愛していたの、とか言うのは卑怯だよなと思ってしまった。悪人は悪人らしくしていて欲しかったが、でも主人公がそれで少し幸せになるのならそれはそれでいいのかもしれない。しかし、一連の事件は一応犯人の理に適っているとは思うのだが、なんか回りくどいことをやっていたような気がしないでもない。もっとスマートなやり方があったのではと考えてしまった。
それから終盤ちょっとだけあった残虐描写が見ているだけで痛く、短い時間だったがかなりのインパクトがあった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 長谷部安春
原作 春の自殺者 (Hayakawa pocket mystery books)
出演 内田裕也/加山麗子/牧ひとみ/田中浩/花上晃/西村昭五郎/井上博一/江角英明/梓ようこ/岡尚美/恵千比絽/日野繭子/田島はるか/八代康二/雪丘恵介/小泉郁之助/伊豆見英輔/富田雅美/森みどり/南條マキ/中平哲仟/大平忠行/佐藤了一/賀川修嗣/ジョー・山中/安岡力也/田畑善彦
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