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「極道の妻たち 最後の戦い」 1990

極道の妻たち 最後の戦い

★★★☆☆

 

あらすじ

 跡目争いにより分裂した広域暴力団の傘下で、服役している夫の出所を待ちながら組を取り仕切り、反撃の機会に備えるその妻。

 

感想

 刑期を終えてようやく出所した組長を迎え、さぁこれから反撃だ、という機運が組織に高まる。にもかかわらず、すっかり丸め込まれて闘う姿勢を見せない組長を見れば、そりゃ皆がっかりする。

 

 この組長は、服役中や出所直後にはいかにもやりそうな大物感を漂わせていただけに、かなりずっこけさせられる。だが本人にしたら、一か八かの勝負を仕掛けて失敗すれば、多くの人が辛い目にあうという現実的な考えもあったはず。ここは歯を食いしばって耐えようというのも理解できなくはない。

 

 

 ただ弱小組織が巨大組織にただ尻尾を振るだけでは映画にならない。さらにもし組長が侠気を出して巨大組織に立ち向かってしまうと、女が出る幕がなくなってタイトル通りにならない。だから小林稔侍演じる組長の行動は、映画的には正しいと言える。

 

 最終的には主人公は、夫とも袂を分かつ。前半は夫である組長を迎えて盛り立てていく雰囲気だっただけに、あまり爽快感は感じなかった。見る人によっては、目的のためには夫だってあっさり捨てる女ということで痛快なのかもしれない。ただその後のラストまでの一連の流れは悪くなかった。特にラストのとどめを刺すシーンはキマっていた。

 

 ただ、男はスーツでも着てればいいのだろうが、女はこういうキメのシーンのときにどういう服装をするのが正解なんだろう?とはちょっと考えてしまった。男がスーツなら女はドレス、というのがこの映画なのだが、ドレスは機能的ではないので、バッチリ化粧してやられるとちょっとコミカル感が滲み出てしまう。かといって、かたせ梨乃演じる女みたいにアーミースタイルをされてもなんかかっこ悪い。時代劇なら着物で違和感なさそうだが、現代劇でやられるとわざわざ着物着てきたの?と思ってしまいそうだ。

 

 岩下志麻、かたせ莉乃、石田ゆり子と当然女たちが目立つ映画となっているが、そんな中で、少し離れた安全な場所で男たちを操る弁護士を演じた津川雅彦も魅力的な演技を見せていた。

 

スタッフ/キャスト

監督 山下耕作

 

原作 極道(ごくどう)の妻たち (文春文庫)

 

出演 岩下志麻/かたせ梨乃/哀川翔/石田ゆり子/西村和彦/中尾彬/磯部勉/平泉成/小林稔侍/森永奈緒美/緒形幹太/浜田晃/中野英雄/中村美律子

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撮影 木村大作

 

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