★★★☆☆
あらすじ
幼い頃に亡くなった母親から毎年バースデーカードを受け取る娘の成長する姿。
感想
病気になり余命少ないと悟った母親が、子どもたちのために成人するまで毎年分の手紙を書いておく、と言う話は、映画としては割とありきたり。そして、泣けるに決まっているのだが、ベタすぎてその設定自体にどこか反感を覚えてしまう。ズルいというか。しかし、この身内が若くして死んでしまう系の映画は、一つのジャンルとしてくくれるくらいきっとたくさんあるはず。
そんなありきたりな設定を敢えてやるということは、それでもそこでどうしても描きたいものがある、ということなのだろうが、特にそのようなものは窺えなかった。それどころか何を描きたいのかすらよくわからない薄っすらとした展開。
母娘の絆といってもバースデーカードのやり取り以上のものはなかったし、娘の成長物語としても観客の知らないところで勝手に娘は成長して結婚までしてしまっているし、妻を亡くした父親だって色々あっただろうに何も描かれていない。
しかも長い。最後の20歳の誕生日のカードでエンディングかな、と思っていたらそこから40分以上も続く。しかも何故かそこからアタック25に挑む女の物語が始まったりするものだから、何これ、番宣?と思ってしまった。ちょっと笑えたが、薄味の話が延々と続くので少し飽きた。
文句ばかりになってしまったが、最初に言ったように泣けるに決まっている設定なので、泣きそうになってしまうシーンもないわけでもなく、ひどい出来というほどではない。ただ見終わった後に、結局何が描きたかったんだろうな、と少し考え込んでしまう映画ではある。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 吉田康弘
出演 橋本愛
ユースケ・サンタマリア/須賀健太/中村蒼/木村多江/谷原章介/安藤玉恵/田中圭/洞口依子