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「サバイブ(SURVIVE) 強くなければ、生き残れない」 2017

サバイブ(SURVIVE)――強くなければ、生き残れない

★★★☆☆

 

内容

 動物たちが生き残るために取っている戦略を紹介する。

 

感想

 生き残るための生存戦略と聞くとまず思い浮かぶのは、食物連鎖のトップに立つような襲われても負けない力の強さだが、それだけじゃないことを教えてくれる。力の強さは分かりやすく単純なだけに、皆がそれを目指すと競争相手が多くなるし、それだけにかなりの体力も必要でたとえ勝てても自分も無傷でいられない可能性が高い。

 

 本書では、そんな力に頼らず周囲と友好関係を築いて争わないですむ環境を作ったり、襲われてもビクともしない防御力を鍛えたり、誰も食べないものを食べられるようになったり、何も口にしなくても生き延びられるようになったりと、様々な生存戦略があることを紹介する。生き残るという事は勝つという事よりも負けない事が重要だということ気づかせてくれる。きっと人間社会の中でも、いわゆる普通の生き方とされるものにこだわることなく、自分なりの生き方を見つけていけばいいのだろう。

 

 様々な動物が紹介されるが、師弟関係を結んだオスがコンビを組んで、求愛ダンスをするというオナガセアオマイコドリの話が面白かった。求愛に成功すると師匠だけがメスと交尾をする。弟子は一人前になって弟子を取るまではお預けだ。出産・子育てはメスだけで行い、オスは基本的には師弟関係のあるオスと暮らすというスタイルは、昭和の日本の会社中心の男社会のようだ。

 

 その他、生涯で一度も水を飲まなくても大丈夫なカンガルーネズミのような、なるべく栄養を摂取しなくても生きていける方向に進化した動物も興味深い。そして様々な進化を遂げた生き物たちの特殊な体の機構を応用して、人間社会に役立つ商品が開発されているという話も面白く、その他の事例もたくさん知りたくなった。

 

 今作も前作「LIFE」同様、各章で最初に漫画、次に解説文で最後に豆知識が紹介されるというスタイル。ただ前回は各章がパンダや猫など動物毎だったのに対して、今回は「負けない」「あきらめない」などテーマ毎となっている。各テーマで数種類の動物が登場するので、特定の動物を掘り下げるというよりは様々な動物を浅く広く紹介するといった感じになっている。

 

 メジャーな動物はそれほどいないし、そんな動物の知られざる生態というのもそんなにはないだろうから仕方がないのだが、ディープさは薄まっているような印象を受ける。

 

著者 麻生羽呂/篠原かをり

 

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