★★★★☆
あらすじ
警察長官が海外出張で不在の中で起きた爆破事件と5人の警察官誘拐事件。警察への挑発ともとれるこれらの事件の捜査の主導権をめぐって争う副長官2人。
感想
笑顔も色気もなく、硬派な雰囲気で進行する映画。火花を散らす二人のどちらかが悪者というわけではなく、どちらも己の正義を信じて戦っている。 それだけにひりひりするような緊迫感があって悪くない。
ただ悪くはないのだけれども、捜査の主導権争いではなくて、犯人を見つけることに集中したら?という気がしないでもない。警察内部の事ばかり描いて、捜査が進行する様子は描かれていない。はなから警察の内部の者による犯行と決めつけているからなのだが、そこがちょっと納得がいかない。
せめてちょっとは捜査した上で「残念だが警察の内部の者による犯行としか考えられない」とちょっとショッキングな感じで言って欲しかった。最初から身内を疑うなんて、普段のガバナンスがちゃんとしていないという事で、その時点で優秀でないという事では?と思ってしまう。ただ結局それで事件は解決したので、身内だからと情に流されず、冷静に論理的に判断できる有能ということもできるのか。
二人が激しく衝突するシーンも感情的ではなく、法律や規則に則っているところがシビれる。まさに有能同士の衝突。これを日本映画でやったら全然リアリティがなくて成立しなさそうだ。無駄に威張って感情的に怒鳴りつけるか、周囲の顔色を窺って空気を読むことに徹しそう。もしかしたら香港の人も映画を見てそんなわけないだろ、と同じように思っている可能性もあるが。
2人は己の信念のために戦っているだけに、互いを認めている部分もある。特に後半は、二人が心の奥底ではともに相手を信頼している事が伝わってきて胸が熱くなる。
テンポもよく緊張感もあり面白い映画ではあるのだが、争う二人がどちらも悪者ではないだけに、誰に感情移入していいのかが良く分からない。どちらにも肩入れできずに、ただの傍観者の位置にいるしかないような状況。もう少し人間的な部分を見せて、どちらかに肩入れしたくなるようなシーンがあっても良かったのかもしれない。
いかにも続編があるような終わり方だったが、その後ちゃんと続編が作られたようで安心した。これで続編がなかったらカッコ悪い。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 リョン・ロクマン/サニー・ルク
出演 レオン・カーフェイ/アーロン・クォック/アーリフ・リー/ラム・カートン/チャーリー・ヤン/アンディ・ラウ/エディ・ポン/アンディ・オン/マイケル・ウォン
コールド・ウォー 香港警察 二つの正義 - Wikipedia
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