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「トゥー・ラバーズ」 2008

トゥー・ラバーズ (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 ある女性に思いを寄せられながらも、近所に住む女性を好きになってしまった男。 

 

感想

 冒頭の衝動的に冬の海に飛び込む主人公に驚かされるが、その後の陽気で外交的な姿にも驚かされる。発作的に死にたくなるくらいに病んでいる男なのだから、内向的な暗い男なのだろうと思っていたから意外だった。ただそれこそが躁うつ病の特徴で、感情の起伏が激しいという事なのだろう。

 

 両親が経営しているクリーニング屋を売ろうとしていて、主人公はその売却先のオーナーの娘に惚れられている状況。だけどたまたま知り合った同じアパートに住むグウィネス・パルトロー演じる女性に惚れて夢中になってしまう。

 

 

 この近所に住む女性が魅力的な上にとてもフレンドリー。初対面なのに主人公の家にやって来るし、街で出会えば声をかけてくるし、友人と行く夜遊びには加わるよう誘ってくる。ちょっと距離感が近すぎで、こんなリアクションを取られてたら普通に勘違いしてしまいそうだ。主人公に好感を持っているから、と言えるかもしれないが。

 

 しかし彼女には恋人がいることを知った主人公。自分の思いが叶わぬことを知り、満たされぬ気持ちを自分に想いを寄せる女性で埋めようとする。最低の行為なのだが分からないことはない。

 

 主人公は、近所に住む女性への恋は一度はあきらめようとしたのだが、不倫の恋で精神的に参っている彼女に何度も頼られ手助けしているうちにその気持ちは逆に強まっていく。そして、遂に不倫相手と別れる事を決心した彼女は主人公と共に新たな一歩を踏み出そうとして・・というクライマックス。

 

 このクライマックスには色々なものが詰まっている。息子の計画に気づいた母親の振る舞いには胸が熱くなった。両親と同居しその仕事を手伝う生活は、他人から見ればなんて恵まれた気楽な生活なんだと思ってしまうが、本人からしてみたら閉塞感しかなかったのかもしれない。その上、売却先のオーナーの娘を傷つける事は、両親の計画が駄目になる可能性もあり、心苦しい部分もある。

 

 だけど、きっとこれが両親が息子のためにしてやれる最大限の事だ。その上で主人公が自分で自分の幸せを見つけたのならばそれを優先させるのは当然の事。そんな想いが母親から伝わってきた。

 

 主人公が彼女を待つ間、来る方がいいのか来ない方がいいのか、自分の中でも良く分からずドキドキしてしまった。そしてそこから、うわぁ・・・となってしまう何とも言えない結末。手袋を使って主人公の変化する心を表現したのは見事だった。正直この終わり方は嫌いじゃない。

 

 最初は二人の女性を両天秤にかけて、主人公はズルいことをしたなと思っていたのだが、よくよく考えれば、グウィネス・パルトロー演じる女性は不倫相手と主人公、その不倫相手は彼女と妻、と関係者は皆、両天秤にかけている。これは強がりかもしれないが売却先のオーナーの娘だって、主人公に他にも男はいるんだと仄めかしている。なので決して主人公はズルくない。この映画の教訓は「保険は大事」ということなのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ジェームズ・グレイ

 

原案 白夜 (角川文庫クラシックス)

 

出演 ホアキン・フェニックス

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ヴィネッサ・ショウ/イザベラ・ロッセリーニ/イライアス・コティーズ

 

トゥー・ラバーズ (字幕版)

トゥー・ラバーズ (字幕版)

 

トゥー・ラバーズ - Wikipedia

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登場する作品

 

 

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