BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「彼女がその名を知らない鳥たち」 2017

彼女がその名を知らない鳥たち

★★★★☆

 

あらすじ

  風采の上がらない男と暮らしながらも、昔の恋人が忘れられない女。

www.youtube.com

 

感想

 男に金をもらい飯を作らせ、自分は何もしないであちこちにクレームの電話を入れて日々を過ごす主人公。前半は彼女のそんな姿ががっつりと描かれていて、あまり気持ちの良い感じはしないのだが、蒼井優がいかにもなふてぶてしい悪い顔で演じていて上手い。関西弁なのも効果的な気がするが、そんなことを言うと偏見になるかもしれない。

 

 そしてそんな女に尽くす阿部サダヲ演じる同居の男。独立する!とか急に小説家になる!とか言っちゃうような頼りない男なのだが、それにしても外見が小汚さ過ぎる。工事現場で働く職業柄、日焼けしているのは分かるとして、無精ひげとかぼさぼさの髪とか、ひとりだけコントみたいなベタな汚さで結構違和感があった。

 

 

 わがまま放題の主人公とそれに無抵抗で尽くす男という構図が、中盤以降で少し様相が変わってくるのが面白い。阿部サダヲ演じる男は取るに足らない男だと思っていたが、実は違うのかも、と思わせておいて、さらにもうひとひねりがあった。最後はそこまでしないといけないのか?と思わなくもなかったが、本人が色々考え、そこまでしたかったという事なのだろう。

 

 濡れ場の多い映画で、大事なところは絶対に隠すが、でもぎりぎりまで責める、みたいな演出が、まるで何かの競技みたいだった。かなりの高得点を叩き出しそうな難易度の高い技が繰り出されるハイレベルの戦いだったと言える。

 

 それから、ベッドの二人から揺れるカーテンにカメラがパンする、という昔の映画やドラマでありがちな演出があるが、蒼井優と松坂桃李の屋外でのシーンで、二人から大阪城にパンする場面があって、なんで大阪城やねん、となぜか関西弁で突っ込んでしまった。そんなところにも工夫がみられる映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 白石和彌

 

原作 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

 

 出演

bookcites.hatenadiary.com

阿部サダヲ/松坂桃李/村川絵梨/赤堀雅秋/赤澤ムック/中嶋しゅう/竹野内豊

 

彼女がその名を知らない鳥たち - Wikipedia

彼女がその名を知らない鳥たち(R15+) | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com