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「アトミック・ブロンド」 2017

アトミック・ブロンド(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 流出したスパイのリストを取り戻すために、ベルリンの壁崩壊が迫るドイツに向かったイギリス秘密情報部(MI6)の女スパイ。

 

感想

 イギリスをはじめ、東西ドイツにソ連、フランス、アメリカなど、各国の諜報活動が活発な、冷戦真っ只中のベルリンが舞台。それぞれが様々な思惑で暗躍しているので、すべてを把握するのは難しく、全体像が分かりづらくなってしまっているが、この手の映画の宿命で仕方がない部分はある。すべては把握できないかもしれないが、それでも置いてけぼりにならない程度にはついていくことが出来る。

 

 リストを取り戻すためにベルリンにやって来た主人公が、味方さえも信用できない状況の中で必死に任務を果たそうとする。彼女はことあるごとに襲撃され、その度に何とか危機をくぐり抜けていくのだが、その毎回のアクションがどれも見応えがある。スパイなのでもちろん格闘術は身に着けているのだろうが、キレイに戦いキレイに倒していくのではなく、がむしゃらに戦っているうちに勝敗が次第に決まっていくのがリアルだった。

 

 

 それから、終盤の東ドイツの密告者を護送するシーンでのカーアクションも凄かった。追いつ追われつのカーチェイスではなく、短い間に色々なことが起こる激しいアクション。車内の主人公らを捉えるカメラの動きも面白くて迫力があった。

 

 そして、シャーリーズ・セロン演じるセクシーで謎めいた主人公も魅力的だが、他のキャラクター達も皆どこか裏がありそうな曲者ぞろいで興味深い。特に、主人公と協力しなければいけないはずのジェームズ・マカヴォイ演じるベルリン駐在のMI6の同僚は、何を企んでいるのかよく分からない食えないキャラクターで、とても印象的だった。彼は魑魅魍魎が跋扈するベルリンに魅せられて、それに取り憑かれてしまったという事か。

 

 迫力のあるアクションに魅力的な登場人物たち、それに加えてスタイリッシュな映像とクールな音楽、さらに緩急をつけた演出で楽しませてくれる。ストーリーの細かい部分まで理解できなかったのは事実だが、それでもちゃんと最後にカタルシスを得ることも出来た。何回でも観る気になれそうな映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 デヴィッド・リーチ

 

原作 The Coldest City: Atomic Blonde Edition (English Edition)


製作/出演 シャーリーズ・セロン

出演 ジェームズ・マカヴォイ/ジョン・グッドマン/ティル・シュヴァイガー/エディ・マーサン/ソフィア・ブテラ/トビー・ジョーンズ/ローランド・ムーラー/ダニエル・バーンハード/ジェームズ・フォークナー/ビル・スカルスガルド/サム・ハーグレイブ/バルバラ・スコヴァ

 

音楽    タイラー・ベイツ

 

撮影    ジョナサン・セラ(英語版)

 

アトミック・ブロンド(字幕版)

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アトミック・ブロンド - Wikipedia

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