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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ブレイド」 1998

ブレイド (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 人間とヴァンパイアの血を持つ男ブレイドは、世界を支配しようとするヴァンパイアの異端児のたくらみを阻止するために戦う。マーベル・コミックの映画化作品。

 

感想

 この映画の中では、ヴァンパイアを倒すのに日光やニンニクは効くが、十字架は効かない設定になってます、という説明があるのでその点はいいのだが、その他の細かい設定はイマイチよく分からなかった。ヴァンパイアに咬まれたら死んでしまうのか、相手と同じようなヴァンパイアになってしまうのか、それとも人間時代の記憶を失い、普通のヴァンパイアとは違うゾンビのような生きる屍になってしまうのか、それらがなんだか曖昧だった。ゾンビやヴァンパイアの映画は、映画独自の設定があるので戸惑ってしまう。そもそも基本原則のようなものも、どこまでが皆の共通認識となっているのかはあやふやだが。

 

 ウェズリー・スナイプス演じる主人公ブレイドは、全身黒の衣装を身にまとい、日本刀を背負うスタイル。そんな恰好で街に現れたら完全にヤバい奴扱いだろうと思わなくもないが、ヒーロー感はある。ちなみにこの映画では、日本刀の他にも忍者風の敵や日本人客が集うクラブなどが登場して、日本文化がだいぶフィーチャーされている。そして主人公と敵役が戦う時も、両者は日本刀を使って戦うのだが刀の使い方がどうにもフェンシングぽいのが気になった。使っているのがフェンシング文化の影響を受けているだろう人たちなのでそうなるのも分からなくはないが、それなら敢えて日本刀を持たなくてもいいのにと思ってしまった。些細な話だが。

 

 主人公に対するスティーヴン・ドーフ演じる敵役は、ヴァンパイア社会が長年続けてきた人間との共存をやめて、世界を支配しようと企んでいる。ただ彼の生活を見ていると、現状もそれなりに楽しそうな暮らしをしているので、わざわざそんな事をしなくてもいいような気がしないでもない。実際のところ、彼の中では人間をやっつけたいというよりも、純血種でない自分を軽んじるヴァンパイア社会の重鎮たちを倒したいという気持ちの方が強かったような気がする。ヴァンパイア社会の階級闘争に人間社会が巻き込まれてしまうなんて迷惑な話だが、わりと現実社会でもよく見る光景ではある。

 

 

 とはいえ、大きな視点で見ればヴァンパイア対人類の戦いというよくある話で、物語としては凡庸と言える。だが、クールな音楽や編集、CGなどが総合的に良く出来ていて、スタイリッシュで小気味の良い映像で魅せる映画となっている。最初は変に思えた主人公のビジュアルも、いつの間にかカッコ良く見えてくる。そして、ヴァンパイアたちが様々なやられ方をするグロさ一歩手前のCG映像がなかなか良かった。凡庸に思える物語も、良い意味に捉えれば安定感があるという事で、ここで挙げたような細かい点はあまり気にする必要はなかったりする。細部にこだわることなく、大雑把な気持ちで見ることが出来るのなら、満足感の高いエンターテイメント作品と言えるだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督    スティーヴン・ノリントン

 

脚本    デヴィッド・S・ゴイヤー

 

原作 Blade: Undead By Daylight (Tomb of Dracula (1972-1979)) (English Edition)


製作/出演 ウェズリー・スナイプス

 

製作総指揮 マイケル・デ・ルカ/スタン・リー/アヴィ・アラッド/ジョセフ・カラマーリ/リン・ハリス

 

出演 スティーヴン・ドーフ/クリス・クリストファーソン/ドナル・ローグ/ウド・キア/アーリー・ジョバー/トレイシー・ローズ/ティム・ギニー/サナ・レイサン/ケニー・ジョンソン

 

音楽 マーク・アイシャム

 

編集 ポール・ルベル

 

ブレイド (字幕版)

ブレイド (字幕版)

  • ウェズリー・スナイプス
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