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「僕だけがいない街」 2016

僕だけがいない街

★★☆☆☆

 

あらすじ

 タイムリープ能力を持つ男は、母親を殺害され、そのきっかけとなった小学生の頃の連続誘拐事件を防ぐために過去に戻る。

 

感想

 ほとんど主人公のタイムリープ能力について詳しく説明されることなく物語がはじまってしまうが、それ以外はそんなに序盤は悪くない。有村架純演じるバイト先の同僚や石田ゆり子演じる母親も、いかにも漫画のキャラといった感じだが、可愛らしかった。

 

 ただ母親が殺害された場面から雲行きが怪しくなる。主人公は現場で犯人の存在に気づいて後を追うのだが見失い、ふとこのままだと自分が犯人だと疑われるのでは?と考えて逃亡してしまう。ここがちょっと意味が分からない。確かに気持ちはわかるし、多少は疑われもするだろうが、すぐに信じてもらえると思うのだが。でないと、自分の家で家族が殺されたら必ず捕まってしまう事になってしまう。

 

 

 主人公は、この母親の殺害事件が子供の頃に地元で起きた連続児童誘拐殺人事件と関係していることに気付き、タイムリープしてその連続事件を未然に防ごうと奮闘する。小学生に戻ったこの時の主人公が、大人の頭脳を持ったコナン君状態なのか、ときどき大人の頭脳が顔を出すのか、どんな状態でいるのか設定がイマイチ良く分からなくて若干モヤモヤする。フィクションなのであまりツッコんではいけないのだろうが、大人の頭脳を持っているのだとしたら、小学生たちにレベルを合わせて毎日を生きていくのはしんどそうだ。

名探偵コナン(1) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン(1) (少年サンデーコミックス)

  • 作者:青山剛昌
  • 発売日: 2012/09/25
  • メディア: Kindle版
 

 

 なんとか最初の被害者となるはずだった同級生の女の子を守れた主人公。この連続事件の犯人は捕まっているのだが、実は冤罪で他に真犯人がいる、というのが物語の筋となっている。で、登場人物の中で真犯人となり得るだろう成人男性は誰がいるだろうとピックアップしてみると、一人しかいない。つまり真犯人は彼。消去法すら必要ない分かりやすさだ。

 

 そして物語の中でもほとんど真犯人だと見当がついている状況だったのに、その人物が運転する車の中という完全に相手に主導権がある場所で、「犯人じゃないよね?」と純粋な目で問い詰めてしまう主人公。あまりにも無能すぎて「小学生かよ!」とツッコんでしまった。ま、小学生なのだが。その後、案の定、絶体絶命の大ピンチに。

 

 この大ピンチをどのように乗り切ったのか、一切の説明がないまま次のシーンが始まる。これがこの映画最大の謎。あれで大した怪我無く、普通に生きていたという事なのだろうか。そこは回答を差し控えないで、ちゃんと説明するべきだろう。

 

 この時点で事件の概要は大体分かり、そろそろエンディングかなと思っていたのだが、ここから結構長い。主人公の説教臭いセリフが滔滔と語られる。そんな説教を聞いているこちらの心の中では、真犯人が誰だか分かっていたのにあなたが放置したせいで、その後たくさんの犠牲者が出ているんですが…などと主人公の責任を追及する声が止まらなかった。自分の同級生と母親さえ守れたらあとは知ったこっちゃない、というのもなかなか酷い話だ。

 

 それから真犯人が犯行現場でもない場所なのに、有村架純演じる女性に顔を見られたからというだけの事で、その家を放火して殺害しようとしたのもよく分からなかった。そんなことしてたら日本に人がいなくなってしまう。いくらなんでも過剰反応過ぎるだろう。

 

 よく分からない箇所が多くて意味不明な物語になってしまっているのは、製作している側も意味不明だったからでは、と疑ってしまう。原作の漫画がまだ未完の時に作られたのが大きな要因なのかもしれないが、だとしても言い訳にはならない。

 

スタッフ/キャスト

監督 平川雄一朗

 

原作 僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)

 

出演

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有村架純/林遣都/安藤玉恵/福士誠治/杉本哲太/石田ゆり子/及川光博

 

僕だけがいない街

僕だけがいない街

  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: Prime Video
 

僕だけがいない街 - Wikipedia

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