★★★☆☆
あらすじ
予備校時代の講師の愛人となった女子大生。
感想
主人公は、妻と愛人がいる事を承知の上で予備校講師の男の二人目の愛人となった。それなのに男の奥さんや愛人に嫉妬している。正直それがよく分からないが、それも若さゆえという事なのか。映画初主演の田中美佐子がみずみずしい。
しかし男が愛人を二人も養っているというのは時代を感じる。今だと倫理的に叩かれるのだろうが、その前に今は二人も養う財力のあるおじさん自体がほとんどいないのではないだろうか。山崎努がいつものじっとりとした演技でそんな男を好演している。
それから一人目の愛人を演じる加賀まりこの髪形が変すぎてキツかった。当時の流行なのだろうが、この変な髪型のせいで、彼女が表現している2号さんの悲哀やらなんやらが全部吹っ飛んでしまう。時代は回るというが、この髪型がもう一度流行る時はあるのだろうか。ヘアメイクのすごい技術イコールお洒落、ではないという事を示す良い例といえるかもしれない。
最後はモヤっとした感じで終わってしまったが、子どもっぽさの残っていた主人公が大人として自分の力で生きて行く事を決意した、という事を示しているのだろうか。女たちは何があっても決してへこたれずたくましく生きて行く、ダイヤモンドは傷つかない、という事なのだろうが、なんとなく、女は思い通りにならないな、と男目線でぼやいているだけのような気もした。今は勿論だが当時でも、この映画に共感した女性はいたのだろうか。
スタッフ/キャスト
監督 藤田敏八
出演 田中美佐子/山崎努/加賀まりこ/朝丘雪路/石田えり/小坂一也/趙方豪/金田明夫
音楽 井上堯之