★★★☆☆
あらすじ
洋菓子店で働き始めた女性と、娘を事故で失ったショックで菓子作りを止めた天才パティシェ。
感想
洋菓子店で働き始めた主人公が、やがて一流のパティシェになっていくという、いかにも漫画にありそうな内容だが、どうも漫画などが原作ではなく、オリジナルなようだ。だとすると、きっと原作では描かれていたが映画では描ききれなかったのだろう、と思っていた描かれるべき様々な過程が省略されているのは何故なのだろう。解せない。
そして蒼井優演じる主人公のキャラクターが結構嫌なヤツだ。職場の先輩にもずけずけものを言うし、その先輩が言うように何故か自信満々。あまり面識もないはずの天才パティシェにも失礼な口をきく。可愛いからまぁ許すけど、というレベル。この主人公はなんでこんな力を持っているのか不思議。
それから、主人公が話がある時は直接相手の家に行くのがなんか怖く感じてしまった。今どき、電話やメールで済ますとか、事前にアポをとるとかスマートな方法はいくらでもあるのに。それをするとドラマチックさが失われてしまうのかもしれないが、時代に合わせたドラマチックな演出を考えるべきだろう。
それにしても、ある日突然やって来て洋菓子店の危機を救い、失意の天才パティシエを立ち直らせ、そして去っていくって、どう考えてもこの主人公のほうがスーパーパティシェだ。そういう設定のほうがしっくりくる。
若い女の子が元気に頑張るNHKの朝のドラマを2時間でまとめたらこんな風になりそう、という映画。定番で王道のパターンではあるが、もうちょっとディテールにこだわって欲しかった。お菓子やつくっている様子をたくさん映すとか。洋菓子に対するこだわりや愛は感じられなかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 深川栄洋
出演
江口洋介/江口のりこ/戸田恵子/加賀まりこ/嶋田久作/佐々木すみ江