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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「エルヴィス」 2022

エルヴィス(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 黒人が多く住む地域で育った白人歌手の青年エルヴィスは、マネージャーのパーカー大佐と契約し、スターへの階段をかけ上っていく。

www.youtube.com

 

 エルヴィス・プレスリーの伝記映画。159分。

 

感想

 エルヴィスのステージを見た女性客が次々と失神していく序盤のシーンは印象的だった。ビートルズのライブ映像などでも見る光景だ。こういうのは客同士で影響し合い、それがエスカレートして起きる集団ヒステリーみたいなものだと思っていたが、この映画ではそれぞれが単独で発生しているように描いていて興味深かった。

 

 主人公がちょっと腰をくねらせて歌ったくらいで世間がざわつき、社会問題になるわけだから、当時の人たちは相当禁欲的な生活を送っていたのだろう。そんな中で過激なエルヴィスのステージを見てしまったので、あふれる初期衝動にどうしていいか分からず、自分でもワケが分からぬままに動き出している感じだった。

 

 

 主人公がスターに駆け上がっていく、センセーショナルな時期の描写は案外あっさりとしている。その後はいくつかのエピソードが取り上げられるのだが、個人的に知らなかったものが多かったので面白かった。スターとなった後の姿が丁寧に描かれ、とにかく昔の人のイメージだった彼が、ビートルズやボブ・ディランの時代になってもまだいて、様々な試みを行っていたことがわかった。

 

 終盤のラスベガスでの彼のステージは圧巻だ。この頃の彼はもう過去の遺産で食べているような状態だと思っていたので、ここにクライマックスを持ってくるのかと意外だった。だがこの頃もヒット曲を出しているし、ツアーにも何度も出ているのでまだまだ現役感はバリバリだったのか。彼はいつが全盛期なのか、よく分からない。

 

 だが、ラスベガスを拠点にしてから彼の心は次第に蝕まれていく。やりたいことをやらせてもらえず、閉じ込められて無理やり働かされているだけのような悲壮感が漂い始める。このあたりからマネージャーのあくどさが際立ってくるのだが、それまで彼はそれなりに有能に仕事をしていたようにみえる。アンチのためのグッズを作り、彼らからも金を巻き上げようとするセンスなどはすごいなと感心してしまた。

 

 自身を死ぬまで飛び続けるしかない足のない鳥に例えた主人公は、馬車馬のように働き、そして自滅していく。しかし彼が死んだのが42歳の時だったとは驚いた。晩年の彼の写真はもっと老けているように見えたが、それだけ濃厚な人生を送ったということなのだろう。

欲望の翼

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 彼の生涯がほどよく編集され、テンポよく紹介されていく。後半にグッと引き込まれていく映画だ。歌唱シーンには見ごたえがあって、エルヴィスのすごさがちゃんと伝わってくる。そして自分が思っていたほど彼のことを知らなかったことが分かって、もっと色々と知りたくなった。

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/製作 バズ・ラーマン

 

脚本 クレイグ・ピアース/サム・ブロメル/ジェレミー・ドネル

 

出演 オースティン・バトラー/トム・ハンクス/オリヴィア・デヨング/リチャード・ロクスバーグ/ケルヴィン・ハリソン・Jr/デビッド・ウェナム/コディ・スミット=マクフィー/デイカー・モンゴメリー/ゼイヴィア・サミュエル/ションカ・デュクレ

 

音楽 エリオット・ウィーラー

 

エルヴィス(字幕版)

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  • オースティン・バトラー
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エルヴィス (映画) - Wikipedia

 

 

登場する人物

エルヴィス・プレスリー/トム・パーカー大佐/プリシラ・プレスリー/B.B.キング/スティーヴ・ビンダー/アーサー・クルーダップ/シスター・ロゼッタ・サープ/スコティ・ムーア/ビル・ブラック/リトル・リチャード/ビッグ・ママ・ソーントン

 

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