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「ファースト・マン」 2018

ファースト・マン (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 人類史上初めて月面に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングが、プロジェクトに参加し、快挙を達成するまでを描く。 

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感想

 人類が初めて月面を歩くまでが描かれる。こういう巨大なプロジェクトは、多くの登場人物が活躍し、彼らの力を結集した結果、成功を手にしたように描きがちだ。だがこの映画は違う。あくまでも主人公ニール・アームストロング個人に焦点を絞っている。だからこの計画がどのような難題に直面し、どのように解決したのかは描かれない。それはまた別の話、と言うことだろう。

 

 ここで描かれる主人公は、取っつきにくそうなキャラクターだ。同僚どころか、家族にも心を開いていないような印象を受ける。幼い娘を難病で失った心の傷もあるのだろうが、もともとそういう傾向があったのだろう。だがこれは、宇宙空間のような未知の場所で起きたトラブルでも冷静に対処できるよう、彼が身に付けた自己をコントロールする方法だったのかもしれない。最後に頼れるのは自分だけだ。誰かに影響されて、それが揺らぐようでは駄目だろう。

 

 

 アメリカの宇宙計画は、彼が関わった計画を中心に描かれる。課題を切り分け、それを一つずつクリアしていくことで最終目標に到達できるよう、綿密な計画が立てられている。そんな当たり前の話に感心してしまう自分が情けないが、そうじゃない計画は個人レベルから国レベルまで身の回りに山ほどある。

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 しかし、あまり詳しくないので人類はすぐに月へと飛び立ったイメージだったが、当然そんなわけはない。それまでに慎重ないくつもの段階を踏んでいる。その過程でたくさんの犠牲者が出ていることには驚いてしまったが。

 

 その中では、主人公が初めて宇宙へ行ったジェミニ計画が興味深かった。最初は何でわざわざ2機を別々に打ち上げるのだ、一緒に飛ばせばいいのに、と思ってしまったのだが、そもそもこの2機が宇宙空間でドッキングできるようにするための訓練だった。

 

 この訓練中に起きたトラブルは緊迫感がすごくて、手に汗を握ってしまった。宇宙空間だと、もし解決できなかったらどうなってしまうのかが想像できないので怖い。ただ、主人公の視点にこだわっているからか、宇宙船内からの映像しかなく、どういう状況なのかは分かりづらかった。ここは俯瞰からのショットも欲しかった。

 

 途中、皆が喧々諤々の議論をしたり、一致団結して奮闘するようなシーンがあるわけではないので、変にテンションが上がる事もなく、フラットな気持ちで事の成り行きを見守っていた。だが、終盤のいよいよ月面着陸に挑むシーンが訪れると、やはり自然と気分が高揚してきた。

 

 そしていざクライマックスになった時、無駄に大げさな音楽で盛り上げようとするのではなく、逆に無音にした演出はグッと来た。誰もいない静かな世界は、彼が未踏の地を訪れた「ファースト・マン」であることを実感させる。その後、そこで主人公が密やかに行ったことにもジーンときた。これのために彼は頑張って来たのかと。

 

 静かだが熱い映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 デイミアン・チャゼル

 

原作 ファースト・マン 上下合本版 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生

 

製作総指揮

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アダム・メリムズ/ジョシュ・シンガー

 

出演 ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/ジェイソン・クラーク/カイル・チャンドラー/コリー・ストール/クリストファー・アボット/キアラン・ハインズ/パトリック・フュジット/パブロ・シュレイバー/シェー・ウィガム/ルーカス・ハース/イーサン・エンブリー/ブライアン・ダーシー・ジェームズ/コーリー・マイケル・スミス/マシュー・グレイヴ

 

音楽 ジャスティン・ハーウィッツ

 

ファースト・マン (字幕版)

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ファースト・マン - Wikipedia

 

 

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