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「エンジェル ウォーズ」 2011

エンジェル ウォーズ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 遺産相続で継父に逆恨みされ、精神病院に押し込まれてしまった少女。

 

感想

 原題は「Sucker Punch」。不意打ちや急襲を意味するらしいが、それから考えると頭の悪そうな邦題「エンジェルウォーズ」。金髪美女は絶対出てきそうなB級感あふれるタイトルだ。

 

 中身は「300<スリーハンドレッド>」を撮った監督らしい作り上げられた凝った映像の中で、何層にも積み重なった世界を舞台に繰り広げられる脱走劇。精神病院が売春宿に置き換えられ、さらにそこから戦争中のような舞台へと飛び、そこでミッションが執り行われる。

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 精神病院のきっとモノクロの陰鬱な世界も、売春宿を舞台に変えれば虚飾であっても華やかになる。そして脱走に必要な道具を主人公がダンスで魅了している間に仲間が盗み出すという設定なのだが、ダンスそのものを見せずに戦時中の世界でミッションを行っているというシーンに置き換えるアイデアは面白い。

 

 

 そもそも人々を魅了して我を忘れさせるようなダンスってどんなの?という問題があって、それを映像で表現するのが難しい。魅惑のダンスや人々の心を鷲掴みにする絵画等は、小説などの文章の中で登場する分には気にならないが、映像でやられるとそれ魅惑か?心を鷲掴みにするか?とがっかりさせられてしまいがちである。感じ方は人それぞれで皆が納得するものを映像で見せるのは難しい。この映画はそういう問題をうまく回避している。

 

 勿論それだけではなく、代わりに用意された世界もレトロでクールな戦闘機やSFっぽいメカが登場して、そこで露出多めの女子たちがミッション遂行のために闘う姿は見ごたえがある。なかでもドラゴンが登場するシーンは良かった。

 

 ただそれぞれの任務遂行シーンは面白いのだが、それらがそれぞれで完結していて、徐々に盛り上がっていくような連続性が感じられなかったのは残念だった。そして物語自体もテンションが次第に下がっていくような、リアリティのある残酷な展開。世の中はおとぎ話のようにはいかないというのは分かるが、これを見せられてから「お前次第だ、頑張れ」と言われても、すぐに「よし、頑張ろう」とはなれない。ちょっと気持ちの整理をする時間が欲しい。なかなかに切ないエンディングだった。

 

 売春宿ではダンスで敵を魅了するという事だが、これは精神病院では何に該当するのだろう。治療としての演劇の事なのかもしれない。それから音楽が結構重要な役割を果たしていていい曲が並び、サントラも良さそうだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/製作 ザック・スナイダー

 

出演 エミリー・ブラウニング/アビー・コーニッシュ/ジェナ・マローン/ヴァネッサ・ハジェンズ/ジェイミー・チャン/カーラ・グギノ/オスカー・アイザック/スコット・グレン/ジョン・ハム

 

音楽 タイラー・ベイツ/マリウス・デ・ヴリース

 

エンジェル ウォーズ (字幕版)
 

エンジェル ウォーズ - Wikipedia

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