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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ヒズ・ガール・フライデー」 1940

ヒズ・ガール・フライデー(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 かつての上司で元夫である新聞社の編集長に結婚の挨拶にやってきた女は、強引に取材に行かされることになる。

 

 クェンティン・タランティーノ監督が名作の一つに挙げた作品。

jp.sputniknews.com

 

感想

 古い白黒映画ということで、のどかなテンポの映画だろうと思い込んで見始めたので、登場人物たちが早口でまくし立てるテンポの速い展開にかなり面食らった。「スクリューボール・コメディ」というコメディ映画のジャンルで、1930年代から40年代に流行ったスタイルのようだ。

スクリューボール・コメディ - Wikipedia

 

  映画のテンポに慣れることなく呆気に取られている間に、そのままエンディングを迎えてしまったという感じ。最初からちゃんとそういう映画だと気を引き締めて臨まないと完全に置いていかれる。集中力なくボーッとしていては駄目なタイプの映画だ。

 

 そして、基本的にはセリフで笑わせるタイプのコメディ映画。早口でまくし立てるセリフは、おそらく日本語字幕では完全にカバーされておらず、そんなに笑えない。ちゃんと英語を聞き取れるか、日本語吹き替えで観ないと厳しいのかもしれない。なんとなく、ここは笑うところなのだろうなという事は分かるのだが、当時は劇場で爆笑の渦だったのだろうか。

 

 

 おそらくそのセリフの応酬でバンバンと笑えていたなら気にならないのだろうが、ただ話の筋を追うのが精いっぱいの状況では、同じ場所で延々とまくし立てる人たちを見ているのは若干辛かった。ほとんど動きがなく、絵替わりもないので段々とイライラしてくる。話を聞いているうちにどんどん展開も変わっていくので、忙しない。

 

 ケーリー・グラント演じる編集者が、元妻の主人公を引き留めようとする強引なやり方や、彼をはじめとする記者たちの取材のためなら何でもやるという手法に引いてしまう部分が多々あった。記事を書くことで死刑を止めさせようともしていて、今見たら過剰反応して騒ぐ人が多そうだ。

 

 しかし考えてみれば、今から80年前の、太平洋戦争がまだ始まる前に作られた1940年の映画。そんな時代に、こんな白黒映画のイメージを覆すような、テンポの速い映画が作られていたということが凄い。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ハワード・ホークス

 

原作 Front Page

 

出演 ケーリー・グラント/ロザリンド・ラッセル/ラルフ・ベラミー/アルマ・クルーガー/ジーン・ロックハート/アブナー・ビーバーマン/クリフ・エドワーズ/ビリー・ギルバート

 

ヒズ・ガール・フライデー - Wikipedia

 

 

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