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「南瓜とマヨネーズ」 2017

南瓜とマヨネーズ

★★★☆☆

 

あらすじ

  ミュージシャンを目指す男のために、夜の店で働き始めた女。

 

感想

 ほとんど活動もせず、くすぶっているミュージシャンを目指す彼氏のために、夜の店で働き始める臼田あさ美演じる主人公。彼氏の音楽活動の為だったら、どんなことでもして応援するつもりでいる。でもこれは、彼氏が好きなのではなく、彼氏のために頑張る自分が好き、という典型だ。

 

 だからそんな男のために夜の店で働いたり、体を売ったりしてボロボロになればなるほど、本人は幸せを実感することになる。男がその頑張りに応えてくれないと腹が立ったりはするわけだが、こういう女性は世の中に結構いる。別に本人がそれで幸せならそれでいいし、男にとってもありがたい存在ではある。

 

 

 ただそんな関係はいつまでも続かない。男の夢が必ずしも叶うわけでもないし、いつまでも女に期待を抱かせ続けることも難しいだろう。男は男で将来に不安を感じるし、女に申し訳ないと思う気持ちもある。そこで現実的に生きようとしたら、人と同じじゃないあなたが好きだったのに、と責められるなんて、男としてはちょっとたまらない。

 

 主人公は、偶然再会した昔の男と会うようになる。この昔の男を演じるオダギリジョーのモテキャラぶりが、腹立たしさを覚えるほど自然だ。こういう事が出来る男というのは才能だよなと感心してしまった。昔の男は、モテキャラのらしさ全開で、主人公を振り回す。

 

 結局主人公は、男のために一生懸命応援したり、振り回されたりするのが好きなのだろう。自分が自分ではなくなる瞬間を求めている。きっとそんな主人公に、多くの女性が共感するのだろうなという気がしている。二人の男が出くわすシーンで、笑いが止まらなくなっている主人公が印象的だった。

 

 最後は、主人公なりにそんな状況を脱することができて、悲しみはあるが前向きになれる結末。ただ、自分のもとを巣立っていったな、尽くしたな、と気持ちよくなっていそうでもある。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 冨永昌敬

 

原作 南瓜とマヨネーズ (TOKYO NEWS BOOKS)

 

出演 臼田あさ美/太賀/浅香航大/若葉竜也/大友律/清水くるみ/岡田サリオ/光石研/オダギリジョー

 

音楽 やくしまるえつこ

 

撮影 月永雄太

 

南瓜とマヨネーズ - Wikipedia

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