★★★☆☆
あらすじ
父親を殺して国王となり、母親を妃とした叔父に復讐を誓うハムレット。
感想
クライマックスの復讐が、アンガールズがジャンガジャガしそうなほどわちゃわちゃしていてちょっと面白い。その他にも色々とツッコミを入れたくなる箇所はたくさんある。
ただ巻末の解説「シェイクスピア劇の演出」にテンポの速さが大事、ということが書かれていて納得した。一つ一つのセリフをじっくりと咀嚼してしまうと、ん?と思ってしまうが、テンポよくセリフが繰り出されるとセリフ自体のキレの良さやカッコよさで高揚感が生まれていくような気がする。戯曲なのだから舞台で演じられていることを想像して読まないといけない。
この戯曲には、有名な「生きるべきか死ぬべきか」という台詞があるのだが、この本では別の訳だった。このセリフは、原文だとそのキャッチーさとは対照的に、様々な解釈ができる。その議論がこのセリフを有名なものにしたと言えるだろう。これを多義的にとらえられるような日本語に翻訳するのはなかなか困難そうだ。
著者
ウィリアム・シェイクスピア
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