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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「イン・ザ・ベッドルーム」 2001

イン・ザ・ベッドルーム [ユニバーサル・セレクション] (初回生産限定) [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 大学の休暇で戻ってきた息子が、子連れの年上の女性と付き合うようになり心配する両親。

 

感想

  最初は話がどこに向かうのか、なんなら主役が誰かすら分からないような展開だったが、次第に流れが見えてくる。夏休みに戻ってきた息子が、子連れの年上の女性と付き合い始め、心配する夫婦。しかもその女性は夫と正式には離婚していない。その夫が登場しただけで不穏な空気になり、トラブルメイカー的な存在だということが分かる演出は上手かった。

 

 そしてそんな夫婦の不安は、想定よりも最悪の形で的中してしまう。悲しみに暮れる夫婦。事件は、それまで仲睦まじかった夫婦の間にも隙間風を吹かす事になる。悲しい出来事に対する対処の方法は人それぞれで、立ち直り方も人それぞれ。悲しみが去るまでじっとただ待つ人間もいれば、敢えて別の事に取り組んで気を紛らわせようとする人間もいる。夫婦でそのやり方が違えば、互いに不信感を募らせることになってしまう。

 

 

 悲しみを紛れさせようと活発に動く夫。居ても立っても居られなくなり突発的な行動をしてしまったり、息子の面影を見つけてしみじみとしてしまったり、そんな中でも些細な事でふと笑ってしまったりと、非常にリアリティを感じる悲しみの日々を描いている。そんな彼をサポートする周りの友人たちの温かさも心に沁みる。

 

 そして冷え切った夫婦間に溜まった互いへのフラストレーションがついに爆発する。互いに気持ちをぶちまけ、言いたいことを言いあう。そして和解。良くある話ではあるのだが、やっぱり口に出さないと気持ちは伝わらない。こういう激しい感じではなく普段から穏健な形で気持ちを伝えられたらいいのだが、それが難しい。

 

 そんな悲しみに暮れる夫婦の姿を描いていくのかと思ったら、最後は意外な展開。結局そっちへ行くのかと。でも感情で突っ走った結果ではなく、じっくりと色々噛みしめた上でのそれなので、余韻は深い。

 

 ところでこの「イン・ザ・ベッドルーム」という意味深なタイトルは、序盤のロブスターのくだりから来ていると思うのだが、ちゃんと日本語字幕で「ベッドルーム」という言葉を入れておいた方が良かったような気がする。ロブスターの捕獲網(ベッドルーム)に第三者がやってくると面倒な事が起こってしまう、という分かりやすい例えではあったが。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 トッド・フィールド


出演 トム・ウィルキンソン/シシー・スペイセク/ニック・スタール/マリサ・トメイ/ウィリアム・メイポーザー/カレン・アレン/ヴェロニカ・カートライト

 

音楽 トーマス・ニューマン

 

イン・ザ・ベッドルーム - Wikipedia

 

 

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