BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」 2021

ザ・ファブル 殺さない殺し屋

★★★☆☆

 

あらすじ

 殺しを禁じられている殺し屋は、かつて仕事で接触し、車いす生活を送ることになってしまった少女が、今は怪しげな犯罪集団にいることを知る。

www.youtube.com

 

 シリーズ第2作目。131分。

 

感想

 前作同様、伝説の殺し屋が殺しを禁じられた状態で戦う物語だ。冒頭で描かれる車いすの少女との最初の接点となった仕事の回想シーンは、激しいアクションでいきなり圧倒される。前作同様、なかなか日本では見られないレベルのクオリティだ。

 

 そして物語の導入部分が始まる。「普通」が分からない主人公のコミカルな日常シーンを交えつつ展開されていくのだが、残念ながらこちらもまた前作同様に面白くない。演出が悪いのか演技が悪いのか、そもそも面白くないのかよく分からないが、もはや安定のつまらなさだ。このコメディパートがやって来ると、またかと一気に気分が沈む。

 

 

 それに加えて今回は敵役の素性が分かりにくい。善人のフリして裏であくどいことをやっているらしいのは分かるのだが、具体的に何をやっているのかは曖昧だ。そんな状態でだらだらと続く中盤はかなりの停滞感があった。

 

 さらに車いすの少女のシーンは、泣ける話、いい話にしたいという思惑がだだ漏れで、あざとさがある。その下心のせいなのか、彼女のシーンがあると妙にしっとり、じっとりとした雰囲気となり、冗長となる。映画のリズムが悪くなり、これもまた停滞感の要因となっていた。

 

 クライマックスは、団地を舞台にした敵との戦いだ。アクションとなると途端に生き生きとした映像となり、グッと魅力的になる。先の読めない動きの連続でボルテージが上がった。その後のもうひと山ある地雷のシーンも見応えがあった。

 

 続編で新鮮さがない分、前作みたいにつまらなさをアクションが凌駕するまではいかず、相殺するだけにとどまってしまった印象だ。もう笑いは捨てて「ジョン・ウィック」シリーズみたいに、ひたすらアクションをやった方が良かったのかもしれない。あれはあれで可笑しみもある。bookcites.hatenadiary.com

 

 前作からの改善があったとすれば、木村文乃演じる相棒にちゃんと見せ場が用意されていたことくらいだろうか。アクションは素晴らしいのに、それ以外が残念な映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 江口カン

 

原作 ザ・ファブル(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

出演 岡田准一

bookcites.hatenadiary.com

木村文乃/平手友梨奈/安藤政信/黒瀬純/好井まさお/橋本マナミ/宮川大輔/山本美月/佐藤二朗/井之脇海/安田顕*/佐藤浩市

bookcites.hatenadiary.com

*特別出演

 

音楽 グランドファンク

 

ザ・ファブル - Wikipedia

 

 

関連する作品

前作

bookcites.hatenadiary.com

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com