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「キング・アーサー」 2017

キング・アーサー(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 弟の反乱により国王が殺される。その幼い息子は難を逃れ、出自を知らぬままスラム街の娼館で育てられていた。アーサー王伝説がモチーフの作品。126分。

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感想

 勝手に古代ヨーロッパのリアルな戦記物のつもりで見始めたので、いきなり魔術を使ったシーンに面食らってしまった。だがモチーフとなったアーサー王伝説自体がそんな物語なので、本来なら想定の範囲内のようだ。スケールの大きさを感じるさせる迫力のある映像が序盤から続き、少し「ロード・オブ・ザ・リング」ぽさがあった。

 

 反乱により王位を奪われた国王の子供が主人公だ。スラム街で出自を知らずに育ち、やがて父を殺して王位についた伯父と対決するようになる。そんな主人公が、娼館の女に拾われてから筋骨隆々の青年に成長するまでを、短い時間でテンポよく描く場面は小気味よかった。彼がどんな人物で、どんな仲間がいるかまでもがちゃんと分かる見事な演出だった。主人公が修行に出掛けたシークエンスでも同様の演出が見られる。

 

 最初は何の自覚もなかった主人公だが、人々が彼のもとに集まり、自身も父親が殺された経緯を知るにつれ、真の王としての使命を受け入れていく。すんなりと運命に従うのではなく、途中で怖気づいたりするのがリアルだった。そして大軍を率いて戦うのではなく、少数精鋭で戦うのも良かった。個々の顔がよく見えて面白みがある。これは元となったアーサー王伝説自体がそうなのかもしれないが。

 

 

 ユーモアを交えつつ軽快に描かれ、ガイ・リッチー監督らしさが溢れていた。最後の現国王との対決も見ごたえ十分で高揚感がある。とても面白く仕上がっていて、興行成績的に大コケしたというのが信じられないくらいだ。だが、見始めれば面白いのだが、なかなか食指が伸びないタイプの映画とは言えるかもしれない。題材自体に新鮮味がないし、キャストも充分魅力的かと言われたそうでもない。映画興行は難しい。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ガイ・リッチー

 

原案/製作総指揮 デヴィッド・ドブキン

 

出演 チャーリー・ハナム/アストリッド・ベルジュ=フリスベ/ジャイモン・フンスー/エイダン・ギレン/エリック・バナ/デビッド・ベッカム/フレディ・フォックス/アナベル・ウォーリス/ミカエル・パーシュブラント/ケイティ・マクグラス/ミリー・ブレイディ/マイケル・マケルハットン

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音楽    ダニエル・ペンバートン

 

キング・アーサー(字幕版)

キング・アーサー(字幕版)

  • チャーリー・ハナム
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キング・アーサー (2017年の映画) - Wikipedia

 

 

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