★★★★☆
あらすじ
妹の結婚式に出席するために空港にやって来た女は、謎の男と出会い、謎の事件に巻き込まれていく。
感想
陰謀に巻き込まれたCIAのスパイの男と、その巻き添えを食らってしまった女性の物語だ。最初は詳細を明らかにしないまま物語が進むのでうまく状況が飲み込めず、モヤっとした部分があるが次第に様子が分かってくる。それまでモヤモヤを埋めてくれるのは、スパイの男を演じる主演のトム・クルーズの最高の笑顔だ。彼が笑顔を見せるだけでなぜだか許せてしまうのは、スターの証と言ってもいいだろう。
主人公が巻き添えにしてしまった女を心配し、彼女を何とか守ろうとする様子がコミカルに描かれていく。彼女が最悪のヤバい状況に陥っている時に、思わぬところからとびきりの笑顔で颯爽と登場する主人公にはモンスター感があって面白かった。特に敵に捕らえられ、拷問されている最中なのに、「大丈夫だよ、心配ないよ」と彼女に笑顔で話しかけるシーンには思わず笑ってしまった。
普通なら見せ場となるようなシーンも、ダイジェスト的にとんとん拍子に描かれていく。主人公の凄さが分かるとともに、凄すぎて滑稽さも感じられる演出だった。
そんな中で、主人公が美女と密会しているように見せかけて実は武器商人と交渉していたシーンで、彼女がすべてを見抜いてしまったのはストーリーの流れ的に違和感があった。そこは普通に主人公には女がいた、と落ち込む程度で良かった。近くで観察できたとはいえ、すぐに状況を飲み込めずにあたふたしていた彼女が、急に有能になってしまった。
終始振り回されっ放しだった彼女がしっかりと主人公にお返しをするラストは、うまく出来過ぎている感はあるが悪くない結末だった。ただ、そもそも主人公のようなスーパーな男が彼女に惚れたのか?という疑問はあるが。全体的にコミカルなシーンもめちゃくちゃ面白いと言うほどではないがそこそこで、それなりにアクションも見応えがあって、気楽に見るにはちょうど良いエンタメ作品になっている。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・マンゴールド
製作 キャシー・コンラッド/トッド・ガーナー/スティーヴ・ピンク/ジョー・ロス
出演
キャメロン・ディアス/ピーター・サースガード/ジョルディ・モリャ/ヴィオラ・デイヴィス/ポール・ダノ/マーク・ブルカス/マギー・グレイス/デイル・ダイ/セリア・ウェストン/ガル・ガドット
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