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「恋は光」 2022

恋は光

★★★★☆

 

あらすじ

 恋する女性が光って見える能力を持つも恋愛には無縁だった青年は、大学の一風変わった女性に興味を持ち、幼馴染の女性を介して交換日記を申し込む。

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感想

 恋愛に無縁だった男子学生が主人公だ。恋する女性が光って見える能力を持つだけでなく、何かと分析をしたがる面倒くさい性格をしている。そんな男がある女性に関心を持ち、交換日記を始めたことから物語が始まる。

 

 彼女が置き忘れたノートに気付いたことをきっかけに二人は出会うのだが、主人公がそのノートを開いた途端に校閲を始めたのには引いてしまった。何が書いてあるのかなとちょっと読んでみたら気になってしまい、我慢できずについ、なら分かるが、いきなりだった。他人のノートに躊躇なく書き込みするとはさすがに怖い。

 

 それに対して怒りもせず、しかも交換日記なんかを一緒に始めてしまう彼女もまた変わり者で、恋について二人で議論し合う関係となる。両者とも独自の世界を持っており、恋に不器用で生真面目なだけなのだが、外からだと相当なひねくれ者の二人に見える。普通ならあまり親近感を持てないが、彼らには謙虚さがあるので温かく見守れる。きっとこれくらい特殊な設定でないと、印象に残るような恋愛映画は作れないのかもしれない。

 

 この二人に加えて、主人公をずっと想い続ける幼馴染の女性と、他人の男をすぐに略奪したくなる女性も登場し、あわせて四人による恋愛模様が描かれていく。主人公は恋愛に関心を持った途端にモテすぎだろ、と思わなくもないが、キャラの立った三人の女性たちそれぞれとのやりとりが面白い。

 

 なかでも第三の女で、ヒールであるはずの馬場ふみか演じる女性がいいキャラクターだ。恋愛経験がほぼゼロで、フワフワして地に足が付いていない他の三人に、恋愛のリアルを突き付ける。彼らにとっては怖い存在なのに、「宿木嬢」とか呼ばれちゃう感じもなんだか良くて、憎めない。それに一人の男を取り合う状況にもかかわらず、三人の女性たちに友情らしきものが芽生えているのも微笑ましかった。

 

 

 恋愛映画特有の気恥ずかしさのあるシーンではそれを回避するような展開を作り、ツッコみたくなるシーンにはちゃんとフォローを入れて、やりっぱなしにしない演出には好感が持てる。序盤の引いてしまったシーンにも、後で言い訳が用意されていた。終盤の美術館のシーンでは、館内での主人公の大声が気になったが、きっと回収してくれるはず、という信頼感があった。

 

 恋愛にはいろんな形があり、どれを重視するかは人それぞれだ。

 

 ラブストーリーは、ベタなことを全力でやるのが醍醐味、と考える人には物足りないかもしれないが、そうでない人にとってはちょうど良い力の抜き加減で、無理せず楽しめる恋愛映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 小林啓一

 

原作 恋は光 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)


出演 神尾楓珠/西野七瀬/平祐奈/馬場ふみか/伊東蒼/宮下咲

 

撮影 野村昌平

 

恋は光

恋は光

  • 神尾楓珠
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恋は光 - Wikipedia

 

 

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