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「モッド・スクワッド」 1999

モッド・スクワッド (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 刑務所に入る代わりに潜入捜査官になった三人の若者は、ボスが殺された事件の真相を追う。

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 テレビドラマ「モッズ特捜隊」のリメイク作品。

 

感想

 潜入捜査官となった元犯罪者の若者三人が主人公だ。だが彼らの素性や立場が全然わからない。彼らがどのように潜入捜査官となったのか、どのような権限があるのか、仕事に対する情熱はどれほどあるのか等がまったく説明されないままに物語が始まってしまった。元々テレビドラマだったのでそれに甘えてしまったのかもしれないが、せめて最小限の説明は欲しかった。

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 前提知識を与えられないまま見ると、メインの三人はただのいけ好かない若者たちでしかない。態度は悪くて上司の言うことも聞かず、仕事中でも異性とじゃれ合ったりしている。仕事への情熱が全く感じられず、刑務所にいるよりはましかと仕方なくやっているだけのように見える。当然、他の警官たちの反感を買って衝突もしているのだが、正直なところ、主人公たちよりも他の警官たちの肩を持ちたくなってしまう。全然彼らに共感できない。

 

 任務中に彼らの直属のボスが何者かに殺されてしまい、主人公らはその真相を追うことになる。ただ、彼らとボスの関係性が全く描かれていないので、その死がどういう意味を持つのかがよく分からない。信頼していたボスを殺されて怒りに燃えているのか、特になんとも思っていないのか。彼らの気持ちが見えてこないままにズルズルと捜査が行われていく。

 

 

 その捜査も行き当たりばったりだ。まるで無分別で思慮のない若者の刑事ごっこを見ているかのような気分になる。しかも三人がバラバラな動きをしているのでスクワッド感もなく、白けた気分で捜査の行方をただ眺めるしかなかった。中でも、ただの情緒不安定な若者にしか見えない金持ち家庭出身の男には、イライラさせられっぱなしだった。

 

 終始何をやっているのか分からない、と言うか、何をやっているのかは分かるのだが何をモチベーションにやっているのかがよく分からない映画だった。カッコよく見せるシーンも、笑わせるシーンもすべからくスベっているのもキツい。

 

 クールで小粋な佇まいをしながらも、完全なる見掛け倒しになってしまっている。良かった所は、音楽とクレア・デインズの美貌くらいだった。 

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 スコット・シルヴァー

 

出演 クレア・デインズ/オマー・エップス/ジョヴァンニ・リビシ/デニス・ファリナ/ジョシュ・ブローリン/スティーヴ・ハリス/リチャード・ジェンキンス/ラリー・ブランデンバーグ/ライオネル・マーク・スミス/デイ・ヤング

 

音楽 B・C・スミス

 

 

 

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