★★☆☆☆
あらすじ
脱獄した犯人に命を狙われていることを知った二人の刑事。シリーズ第6作目。
感想
しばしばカッコいいとダサいは紙一重だと言われるが、この映画はすべてがダサい側に転んでしまっている。一つ一つを見ればそんなに悪くはないのかもしれないが、それらを上手くまとめ上げられずにすべてを台無しにしてしまっているような印象だ。なかでもスローモーションを多用する古臭い演出がとてつもなくダサかった。
それから名コンビのはずの主演2人も、久々の共演だからか年齢を重ねたせいか、どうにもぎこちない。撮り方や編集の問題のせいなのかもしれないが、何か喋る度に必ず白けた間が漂う。二人だけでなく、昇進したりで役柄が変わったいつものメンバーたちも、どこか戸惑いがあるのかリズムに乗れていない感じ。映画全体のテンポがとても悪い。こうなってくるともはや役者のせいじゃないことは明白だが。そして、そんな場の空気が常に悪い中で、場違いな事をやり続けなければならない浅野温子が、ちゃんとやり切ってしかもスベらず場を持たせられているのはすごい。彼女だけは映画を覆う嫌な空気に抗い、負けていない。
物語も、このシリーズの伝統とも言える「敵役がショボい」というのを見事に受け継いでいて、全然対決に見応えがなく盛り上がらない。犯人たちの描き方が雑でもうちょっと丁寧に描いて欲しいと懇願したくなる。一応は、事後に言い訳のように犯人のバックグラウンドが語られるのだが、もうその頃にはだいぶどうでもよくなってしまっている。それに真犯人たちは意外な人物たちだったのだから、もっと大きなリアクションをするべきだろうと思ってしまった。
あまり必然性の感じられない韓国ロケをしちゃったり、最後の変な匂わせも全然効果的でないしで、あまり今回は良いところがなかったなというのが正直な感想だ。
スタッフ/キャスト
監督 鳥井邦男
脚本 柏原寛司/大川俊道
出演 舘ひろし/柴田恭兵/浅野温子/仲村トオル/木の実ナナ/ベンガル/山西道広/原沙知絵/佐藤隆太/窪塚俊介/水川あさみ/田中哲司/大沢樹生/中島知子/小林稔侍
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