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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「007 ダイ・アナザー・デイ」 2002

ダイ・アナザー・デイ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 北朝鮮で拘束中に所属機関MI6から密告者の疑いをかけられてしまったジェームズ・ボンドは、真実を明らかにするために単独行動に出る。シリーズ第20作目でピアース・ブロスナン版第4作目。  

 

感想

 映画冒頭、颯爽とサーフィンで登場するジェームズ・ボンド。しかし北朝鮮の海はこんなに大波ができるのかと疑わしい気持ちになってしまったが、こんな事に気付いてしまうのは一部地域のみだけなので気にしないほうがいいのだろう。この他にも、DIY精神あふれるパラセーリングのシーンもあったりして、マリンスポーツ的なアクションが多かった。それらはほとんどCGが使われていて、少し興醒めしてしまうところはあった。この頃のCGはそれなりだがもう一歩というレベルなので、その中途半端さが悪目立ちしてしまう。

 

 今回のボンド・ガールはハル・ベリー。ベタ過ぎる登場シーンについ笑ってしまったのだが、これはシリーズ40周年20作品目という記念作という事で過去作へのオマージュという事らしい。その他にもオマージュしたシーンがあったようだが全然気づかなかった。このハル・ベリー演じるアメリカ・NSAの女エージェントがどこか子供っぽいやんちゃな少年みたいなキャラクターで、大人な雰囲気のあるこのシリーズにはどうも馴染んでいないような気がした。女ジェームズ・ボンドみたいなクールなキャラクターの方が良かったような気がするが、そうすると似た者同士のコンビで幅が狭くなってしまうのか。

 

 

 それから、主題歌を歌っているマドンナも脇役で登場している。彼女は映画に出ると必ず叩かれている印象だが、確かに今回も登場した瞬間にその役柄よりもまず「あ、マドンナだ」と思ってしまった。でもこれはきっと彼女がスター歌手としての「マドンナ」をずっと演じてきたからだろう。よく人気シリーズの役者が、そのキャラの色がついてしまって他の役が出来なくなると困るから、と降板したりするが、マドンナはまさにこれだろう。彼女が何を演じたところで、観る人は「マドンナ」が何かやっていると思ってしまう。今回でシリーズを降板する主演のピアース・ブロスナンもこれを恐れていたわけで、「ほらね、こういう事。」と言っていそうだ。

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 太陽光を集めた人工衛星で攻撃するとか、氷で出来た建築物とか、あり得ないわけではないのだろうが、あまりリアリティを感じられないものが多く登場し、壮大ではあるがいまいち映画に入り込めなかった。割れた飛行機の窓から最初は何人も外に吹っ飛んでいったのに途中からなんでもなくなったり、太陽光で氷の建物が溶かされているのにある部屋だけはその気配が全くなかったりと、色々と細かい部分が気になってしまう映画でもあった。

 

スタッフ/キャスト

監督 リー・タマホリ


出演 ピアース・ブロスナン/ハル・ベリー/トビー・スティーブンス/ロザムンド・パイク/リック・ユーン/ジョン・クリーズ/ジュディ・デンチ/マイケル・マドセン/サマンサ・ボンド/コリン・サーモン/ウィル・ユン・リー/ケネス・ツァン/エミリオ・エチェバリア/マドンナ

 

007 ダイ・アナザー・デイ - Wikipedia

 

 

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