★★★★☆
あらすじ
妻を亡くしたばかりの隣人の行動に不審を抱き、探偵まがいの事を始める主人公の妻。
感想
いつものウディ・アレン映画の調子でミステリー。妻を亡くしたばかりの隣人に不審を感じ、真相を追う夫婦の姿が描かれる。妻の前のめりすぎる行動に若干引いてしまわないでもないが、夢中になればこうなってしまうのも仕方がない。
そしてこのミステリーに、妻と意気投合する友人、主人公に好意を見せる女流作家などを登場させて、コミカルにそして物語に深みを与える展開で、いつもの事だが心憎い演出だ。そしてドタバタ感を醸し出してはいるが、ちゃんとシリアスに描けば立派な本格ミステリーになりそうなしっかりとしたストーリーで、ある意味で贅沢な事をしているのかもしれない。
妻のただの勘違いだった、というオチを期待してしまう自分がいたが、れっきとした殺人事件だった。あんなに事件に夢中だった主人公の妻が、皆が女流作家の推理を夢中になって聞いているのを見て、急にテンションがだだ下がりになっていたのが面白かった。人は自分より過剰な反応をしている人を見ると冷静になってしまうものだ。
終盤は割とクラシックなミステリーのクライマックスっぽい仕上がりになっている。このシーンは映画上映中の劇場が舞台なので、この映画にオマージュをささげているということなのだろう。(「上海から来た女」?)
最後は互いに浮気を疑っていた主人公夫婦が、全然仲良しだということを再確認するというほのぼのとしたエンディング。それだけでこちらまでなんだか幸せな気分になってしまうから不思議だ。
それからニューヨークという都会への愛を歌ってスタートする映画だが、毎晩、舞台鑑賞やスポーツ観戦に出かけたり、深夜に友人とレストランで語り合ったり、何でも手に入るのでプレゼントの品に困ることがなかったりと、都会の魅力も十分伝わってくる内容となっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/出演
出演
アラン・アルダ/アンジェリカ・ヒューストン/ジョイ・ベハー/ロン・リフキン/ザック・ブラフ